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「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(12月第1週)

アフラックに異例の金融庁検査…不透明な運用、過度の営業姿勢

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 しかも半年前のその特集では、「老後は3000万円あればなんとかなる。そのための資産運用を考えよう」という記事だったのに、今回は「老後には3500~4000万円程度の蓄えが必要だ」と1000万円も増額されてしまった。このデフレ時代になぜか増額してしまったのだ。本気で、老後資金を貯めようとこの2冊を併読した読者がいたら戸惑うところだろう。

 その時々に取材に行った専門家のおおまかな概算に左右されて、記事作りをしているためにこういったちぐはぐな数字が出てしまう。もう少し読者目線の記事作りをお願いしたい……とツッコミをいれたところで、第2特集を見ると、「迷走するアフラック 契約者数1500万人の巨船」という骨太取材の特集が掲載されているではないか。

●収益第一主義保険・アフラックの拝金マネジメント術

 白いアヒル、招き猫ダックに加え、有名人を起用したCMでおなじみの外資系生命保険会社アフラック。日本で初めてがん保険を発売し、業界ナンバーワンの保有契約件数2100万件を誇っている。ところが、今、アフラックが迷走を始めている。今年行なわれた金融庁検査では、異例の5カ月にわたる検査期間になり、保険金の支払い体制や経営ガバナンスについて指摘を受ける事態になった。しかも、販売部隊である代理店からは現経営陣との対話不足からか不満の声が噴出している。アフラックで何が起きているのか。内部に迫った取材特集だ。

 そもそもアフラックに関しては、すでに、「週刊ダイヤモンド 7/28号」の冒頭のニュース記事「ニュース&アナリシス」の『アフラックの“欺瞞”にメス 金融庁が前代未聞の長期検査』という記事で保険金支払い体制のずさんさ、過度な営業姿勢、不透明な保険料の運用など懸念材料が山積みの社内事情や、3年周期で期間も2~3カ月程度が通例の金融庁検査だが、アフラックに関しては前回の検査から2年半しか経っていないのに検査が行なわれるという異例な事態ぶりを紹介する記事が掲載されていた。

 アフラックの経営姿勢を「保険金支払いの体制整備にカネをかけるより、新契約の獲得に重きを置く“収益至上主義”」とダイヤモンド誌は気持ちよいくらいに斬って捨てたほどだ。

 アフラックといえばメディアにとってはCM・広告をもらえる大スポンサー。大スポンサーはえてしてタブーな存在になりがちで、7月のニュース記事掲載の時点で、これからはダイヤモンド誌にとっても筆が甘くなるのではと心配していたが、どうやら杞憂だったようだ。

 今回の読み応えは、『Part1 経営の迷走 現経営陣のガバナンス不足 社内に蔓延する閉塞感』だ。「知られざるアフラックのマネジメント体制」というページでアフラック日本支店のチャールズ・レイク会長、外池徹社長以下、執行部の組織図が役員の名前入りで一挙掲載されているのだ。企業モノを取材するときに壁になるのが、閉鎖された会社の人事情報だ、人事情報が内部関係者しか持つことができない。つまり、この記事が掲載される時点で、ダイヤモンド編集部は、確固たる告発者とのパイプがあることがわかる。ここまでの気合の入りようは「週刊ダイヤモンド 2/4号」の前ストリンガーCEO体制を批判的に検証した特集『さよなら! 伝説のソニー なぜアップルになれなかったのか』以来だろう。

『週刊 東洋経済 2012年 12/8号』 あの手この手。 amazon_associate_logo.jpg
『週刊 ダイヤモンド 2012年 12/8号』 アメリカ政府日本支店化進行中。 amazon_associate_logo.jpg
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