NEW
「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(12月第1週)

アフラックに異例の金融庁検査…不透明な運用、過度の営業姿勢

【この記事のキーワード】

, ,


 組織図を見ると、まずは、チャールズ・レイク会長は8月上旬に検査情報が漏れたとして金融庁に抗議するような豪腕だ。それもそのはず、レイク会長は米国・通商代表部(USTR)の日本部長を経て、1999年にアフラックに入社。03年に社長、08年には会長となった人物だ。米国・通商代表部(USTR)の日本部長時代には1993年の日米包括協議において、米国系保険会社を日本市場で優遇されるように協議を推し進めた人物だ。

 社長の外池氏は、みずほコーポレート銀行出身で、主要ポストをみずほ出身者で固め始めているという。営業と保険金の支払い部門を除く大半でみずほ化が進んでいるのだ。

 追い出された格好になっているのは、創業メンバーで元社長の大竹美喜最高顧問と松井秀文氏だ。販売部隊である全国の代理店を訪ね、親交を深めてきた二人のカリスマ性は語り草になっているほどだ。現在、代理店が活躍すべき営業現場では本部との間にすきま風が吹きはじめ(『Part2 営業現場の迷走』)、利益至上主義が目立ち始め、保険商品も改悪が目立つという(『Part3 保険商品の迷走』)。

 8月末、金融庁は最新の保険会社に対する監督方針に「外国保険会社は拠点の規模や業務内容等によっては、視点の現地法人化を行なうことが適当」という文言を盛り込み、アフラックを震撼させた。

 というのも、実はアフラックは米国が本社で、日本のアフラックは日本支店に過ぎないからだ。つまりほかの大手外資系保険会社が経営の透明性を高めるために現地法人化している中で、アフラックは「合理的な経営」などを理由に現地法人化していないのだ。

 実はアフラックの経営姿勢を決めているのは、米国本社で、日本支店には意思決定の権限がない。にもかかわらず、アフラックの売上の7割以上が日本によるもので、日本支店の税引き後利益の約70%、多い年は100%を米国本社に送金しているという。つまり、アフラックは、日本でぼろ儲けして米国に利益を還流させているシステムということになる。保険会社は契約者の資産を何十年に渡って預かる存在。だからこそ、こういった還流システムに金融庁も懐疑的な見方を示したのではないだろうか。

 この還流システムには既視感がある……。先週の「週刊東洋経済 12/1号」の特集は『新流通モンスター アマゾン』でも、アマゾンの本社機能は米・シアトルのアマゾン・ドット・コム・インターナショナル・セールスであり、アマゾンは日本では法人税は払う必要がないという事実が紹介されていたが、このカラクリにそっくりなのだ。日本で儲けたにもかかわらず、日本には利益をわずかしか還元せずに、アメリカに還流させる。このあたりにも日本でお金が回っていかない不景気の理由の一端がありそうだ。TPPに加入せずとも、すでに日本のお金で米国が潤うようになっているのではないか。

 最後に、どうみても取材の充実ぶりからいっても、ダイヤモンド誌の今号は第2特集のアフラック特集が第1特集ではなかったか。第1特集は「お金」のワイド特集になってしまうところに、「週刊ダイヤモンド」編集部の迷走が見えるようだ。
(文=松井克明/CFP)

『週刊 東洋経済 2012年 12/8号』 あの手この手。 amazon_associate_logo.jpg
『週刊 ダイヤモンド 2012年 12/8号』 アメリカ政府日本支店化進行中。 amazon_associate_logo.jpg
RANKING
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合

関連記事