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ハリー・ポッターのアトラクションにかける“戦う集団”の戦略

USJ入場者数1億人…ライバル東京ディズニーランド追撃のカギを探る

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 テーマパークのブランド力向上の方法論として代表的なものは、2〜3年おきに魅力的なアトラクションを投入していくことだとされている。上記のように、USJも次々とアトラクションを投入してきたのだが、開園2年目での経営のつまずきが尾を引き、顧客を強力に吸引するだけの投資ができたかというと、ネガティブにならざるを得ない。20〜30億円程度の、いささか厳しく言えばお茶を濁した程度の投資で済ましたものの中には、見るからに魅力に欠けるものがあった。

 高橋室長によると、最近の成功はアトラクションやパレードの企画が、エンターテインメント部隊からマーケティング部隊主導型に変わり、顧客の深層心理にかなった企画が実現してきているからだという。「プロダクトの技量向上、社内コミュニケーションの改善、マーケティング面の改良、そうしたことが背景にあって、ブランド力が上がってきているのです」(同)

 スタート当初は、大阪市や出資企業からの出向や転籍組、プロパー、それに米ユニバーサル・スタジオからの派遣組と、社員のキャリアも思考様式も、そして意欲もバラバラだった。しかし、後に資本が米系ファンドに統一され、テーマパーク経営のプロであるグレン・ガンペル社長の経営意思が明確に社員に浸透することになるに伴い、渾然一体、戦う集団に転換したという言い方が適切かもしれない。

●ハリー・ポッターに真の復活をかける

 さて問題はこれからである。

 先に触れたように、テーマパークにおけるブランド力向上の最大のセオリーは、新規アトラクションの投入である。この点についてUSJでは、ハリー・ポッターの世界をテーマにした、「The Wizarding World of Harry Potter」を2014年後半に投入することをすでに発表している。

 このアトラクションは、2年ほど前、フロリダ州のオーランドにあるユニバーサル・オーランド・リゾートにオープンし、世界的なベストセラー、そして大ヒットした映画を背景に入場者を30%以上急増させた実績がある。これを日本的にアレンジして、USJに持ってこようというわけである。ちなみに、映画『ハリー・ポッター』シリーズは日本だけで7800万人もの観客を動員した。それだけに当然、期待値は高い。

 投下資本も、売上高が1000億円ほどのUSJにしては破格の450億円。それもここ数年に蓄積した自己資本で大半をまかなうという。その点でもUSJの経営基盤が安定してきていることが察せられる。

 ガンペル社長の口癖は「Swing the bat」、つまり「ボールが来たら見逃さず振りぬけ」である。今がチャンスと見て振りにいっていると見てよい。その先には、舞浜から抜け出せないTDRを尻目に、成長するアジアへ打って出て、大規模なパークオペレーションを行う目論見があるらしい。その原資を稼ぎ出すためにも「The Wizarding World of Harry Potter」の成功は欠かせないということになる。いずれにしろ、このアトラクションの成功こそが、USJが開園2年目のつまずきを払拭し、本当の意味で復活を告げるモニュメントになるということだ。
(文=清丸恵三郎)
 

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