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新刊『火口のふたり』著者、直木賞作家・白石一文インタビュー

挙式までの5日間、抗いがたい性欲に身を任せるふたり

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●夫婦のために、子どもを犠牲にしてもよい

ーー男女の恋愛家族のあり方には、いろいろな形があると思いますが、白石さんの考える理想的な形というのはどういうものでしょうか?

白石 「家族は子どもを育てるための会社ではない」と考えています。子どもがいると、どうしても夫婦関係は子育てを中心としたものになりますね。でも、女の人は、子どものために尽くしてくれる父親も、自分を守ってくれて、自分を楽しませてくれる夫も、両方必要なのです。男はそこに順番をつけるでしょう。夫としての役割をやめて、父親の役割をしますね。それで女の人は満足していると思っていますが、それは大きな勘違いです。

 つまり、いかに夫婦仲がいいかが大事です。家族を本当に維持するのであれば、夫婦仲が悪くなったら終わりですね。それは、子どもにとっても迷惑です。だから、主従で言えば、男女関係が主ですよ。夫婦が仲良くすることが一番大事です。夫婦のために、子どもは我慢するべきです。子どもは不安かもしれませんが、独立心が強くなり、将来早く自分のパートナーを見つけることで、その不安は補って余りあるものになりますから。

 つまり、子どものパートナーは親ではないということです。親は、最低限の生活を保障してくれる存在でしかないのです。でも、子どもが異様にかわいいので、ついそれを忘れがちになるのですね。本当に子どもはかわいいのですよ。その気持ちを抑えて、夫を、妻を見るようにするべきだと思います。

ーーいい父親であり、いい母親である前に、いい夫であり、いい妻であるべきだということですね。それが結果的に子どものためになると。

白石 大家族制の時代は、しきたりがあり、家を守ることが大事で、そのために子どもを育てました。だから、女の人は絶対に外に出ては行けない。でも、男性も女性も、それにストレスを感じていましたね。そのストレスから解放されるために、日本人は核家族化を選択したわけです。つまり、夫婦と子どもが基本単位ですね。でも、せっかく選択したのに十分に機能させていません。

 おじいさん、おばあさんに子育てを頼んでも大いに結構ですが、夫婦は仕事が忙しくて、お互いが一緒にいる時間を持てていませんね。今の人たちが一番間違っているのは、そこではないかと思います。夫婦がより長く2人だけの時間を過ごせるように、もっとマネジメントの仕方を変えるべきだと思います。

●自分の子どもは他人と生きていく

ーー今、すごく晩婚化が叫ばれ、結婚しない人が増えていますが、それは親があまりにも子育てに熱心だったから、結果的に子どもが自立できなくなっているのでしょうか?

白石 結婚していない人たちは、意外と親がかりだった人が多いと思いますよ。親は子どもの面倒を一生見られないし、仮にそういうことをしようとしたら、ろくな人間にならないと思います。自分の子どもは他人と生きていくわけで、大事なのは夫であり、妻でしょう。夫は妻を大切にするほうがずっと大事ですよ。子どもは夫婦仲がいいからできるのです。それがわからないから、「結婚はしなくてもいいけれども子どもは欲しい」とか、「この数年、1回もセックスしたことがないけれども子どもが欲しい」という女性が出てくるわけですよ。体外受精ならそれは可能ですからね。でも、それでは本末転倒ではないですか。

 私は結婚する人に、「旦那さんを大事にしてください。奥さんを大事にしてください。それだけを考えてください。そして、無理してでも、やせ我慢でも、子どもと旦那さんであれば旦那さんが大事だと思ってください」と必ずアドバイスするようにしています。

ーーいろいろな形はあるにせよ、結婚はしたほうがいいとお考えですか?

BusinessJournal編集部

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