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「肥満」診療には保険が適用可能

デブは立派な病気!? 専門医が語るメタボの処方箋

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 ただ、肥満に加えて上記の病気を合併している、あるいはそれらの予備軍である場合は、単なる「肥満」ではなく、「肥満症」=「肥満により起こる健康障害を合併しやすくなっている状態」、ということで、これは立派な病気です。

 また、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という言葉は、みなさんよく聞かれていると思います。

 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪が蓄積している状態を要因として、脂質異常症や高血圧、高血糖の3項目のうち、2項目以上が合併した状態、のことを指します。

 このメタボ状態になると、動脈硬化が早く進行して、健常人の数倍以上の確率で虚血性心疾患や脳血管障害を来しやすい、といわれています。中年者以降の肥満の方は、だいたいがこのメタボに該当してしまう現実があります。つまり、「肥満症」の大部分は、動脈硬化性疾患を予防するために、積極的に治療を受けることをお勧めしたいと思います。

 厚生労働省は2008年、中高年保険加入者を対象に特定健診を実施して、メタボリックシンドローム該当者に対して特定保健指導を行うように義務づけしました。動脈硬化が進む前から積極的に治療に介入する方が、健康寿命も延ばせるし、医療費も(約2兆円)節約できる、と計算しているのです。これにはいろいろ議論がありますが、国として国民に重篤な疾患を予防させる方向で政策を立てる事はいいことだと思っております。

●肥満の治療

 ただの肥満だけだと、高度肥満(BMI35以上)でなければ保険適用はなく、自費診療になります。しかし、肥満症であれば通常の診療が保険適用対象(厳密には、肥満に伴う病気を診察する形で、ですが)になり、上記の疾患を治療しながら、肥満についても生活指導などが行えます。まずは専門医に診てもらうことで、どういった原因で肥満が起きているのか、自分に起きている肥満の正体を突き止めることが大切です。

 これは簡単に判断できるものではないので、最近太ってきたな……と思ったら、簡単に年のせいなどにせず、健康診断も兼ねて専門医にかかるのをオススメします。

 では、具体的にどのような対策が取れるでしょうか。今回はこれからの連載でお話しさせていただく項目を、ダイジェストでご紹介いたします。

・生活指導

 これは、単純に食事を減らして運動を増やす、という簡単な話ですが、最も大事なところです。

 貯金を増やすのに、収入を増やして支出を減らすのと同じで、おなかの脂肪(カロリーの貯金)を減らすには、食事(収入)を減らして運動(支出)を増やすしかありません。食事を減らして運動を増やすためにどう意識付けするかが大事になってきます。これも王道などなく、人それぞれの生活改善法があります。詳細は、次回以降に書きたいと思います。

・薬物療法

 薬で楽にやせられませんか? という声がよく聞かれますし、ちまたにはダイエットサプリがあふれ返っています。ダイエットサプリは多すぎて、個別にコメントするのは難しいのですが、食事の代わりに摂取する低カロリーの栄養剤ならともかく、その他の健康食品の効果は私にはよくわかりません。少なくとも本当に減量効果があるのなら、とっくに製薬会社が有効成分を抽出・化学合成などをして薬にしてしまっていると思いますが、あまりそういう話は聞きません。

BusinessJournal編集部

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