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年末企画 この1年 この会社の収支決算Ⅴ

セブン&アイ大改革の舞台裏…ヨーカ堂正社員半減で売場責任者もパート


 これに対してスーパーストアー事業の13年2月期の売上高は2兆200億円(前年同期比1.4%増)と若干の増収になるが、営業利益は258億円(同20.4%減)と大幅な減益を見込んでいる。スーパー事業の主力であるヨーカ堂の業績不振が、足を引っ張っている。上期(12年3~8月)のヨーカ堂の営業利益は、わずか7億円(同88.0%減)にとどまった。

 削減される正社員はどこへ行くのか。稼ぎ頭のセブン-イレブンに出向して、店舗を後方支援するフィールド・カウンセラーへ転身する。希望者にはコンビニのオーナーになる道を用意した。社内でセブン-イレブンの店舗オーナーの希望者を募ったところ、200人が手を挙げたという。

 鈴木敏文が打ち出したグループ大改革は、簡単に言ってしまえば業績不振のGMS事業を縮小し、その人員をコンビニ事業で吸収するということだ。これによって、グループ全体の人件費の削減を徹底的に図る。出向を命じられた社員が退職することは想定内だろう。これは自発的な退職であって、強制的な解雇には当たらない。

「パートが店の看板と経営を背負い、その上、接客するというのは至難の業。時給のパートに、そこまで責任を負わせていいのか」との指摘があるのは百も承知だろう。

 ヨーカ堂のパート中心の店舗オペレーションがうまくいくかどうかを、流通各社の首脳は注視している。ヨーカ堂が成功したら、パート中心の運営に切り替えるスーパーが続出することになる。

 かつて日本の会社は、どこでも正社員が多数を占めていた。月々の給与が保証され、そこそこの昇給が見込めるので、安心・安定の生活が送れるのが正社員の最大のメリットだった。病気やケガの時に個人負担が少なくて済む厚生年金にも加入できる。所得証明が交付されるので住宅ローンや車のローンの契約がスムーズにできる。このように、正社員には有形無形の恩恵がある。

 だが、そうした正社員神話は音を立てて崩れようとしている。セブン&アイの大改革は、“正社員不要の時代”を象徴する“事件”なのである。

●セブンーイレブン・ジャパンは業績好調を維持

セブン&アイ・ホールディングスは、1月8日に今2月期の第3・四半期(3Q、3~11月)決算を発表する。

 稼ぎ頭のセブン-イレブン・ジャパンは引き続き好調だ。11月の既存店売り上げは前年同月比0.3%増と、4カ月連続してプラスを維持している。日本フランチャイズチェーン協会が発表している主要コンビニエンスストア10社の11月の既存店売り上げの合計は、同2.5%減。6カ月連続してマイナスである。

 セブン-イレブンが好調な理由は2つある。1つは全店共通で品揃えをする「基本商品」の強化が実ってきたことだ。洗剤や調味料をきちんと品揃えしているため、スーパーマーケットの代替の役割も果たしているというのだ。

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