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朝日に読売…消費増税に賛成し、自らは平然と軽減税率を求める大手新聞社の醜態

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 みんなの党の山内康一衆院議員は2011年6月19日のブログで、「財務省主導の増税路線にマスコミも乗っかっています」「消費税が上がっても大手新聞社は困らないカラクリがあります」と書いている。その中身として「大手新聞は『新聞購読料は消費税対象外』という主張をし、その主張に財務省はOKを出している様子」と暴露している。もしこれが本当ならば、財務省と大手マスコミは蜜月状態といえよう。

 実際、2010年11月には丹呉泰健氏が読売新聞の社外監査役に就任しているが、丹呉氏は09年の政権交代直前に財務事務次官となり、10年7月に退任した人物だ。読売が同氏の財務省に対する影響力を見込んでの人事であると見るのは普通だ。

●国から守られ続けてきた大手新聞社

 そもそも、自由競争の業界なのに、大手新聞ほど国から守られて生き延びている民間企業はない。古くは国有地を安く払い下げてもらい本社を建て、戦後はテレビ局を開設して電波利権まで手中に収めてきた。長らく官庁丸抱えの記者クラブで一次情報を独占し、役人提供のリリースに少し手を加えただけの原稿で紙面を埋めてきた。そして、現在も再販制度で新聞価格を高く維持している。記者出身の素人が経営者になっても、会社を存続できるわけである。

 各社は新聞を軽減税率の対象にすべき理由として「活字文化の存続」や「知る権利」などを挙げているが、今や新聞社だけが情報取得手段の担い手ではない。インターネットの普及で、役所や企業も独自に情報を発信しており、記者会見にはフリーの記者も参加できるケースが増えた。フリージャーナリストの活動はネットによって飛躍的な広がりを見せ、情報は多様化している。中には新聞社の社説よりもはるかに説得力のあるものも多い。また、ネット中継や動画の進歩によって、速報性でもネットメディアは力を発揮している。新聞が軽減税率の対象になるとすれば、それは新聞社の既得権以外の何ものでもない。

 さて、自民党と公明党は1月23日に与党税制協議会を開き、軽減税率は「消費税率10%への引き上げ時に導入を目指す」ことで合意した。これで、今回は新聞業界の要望が入れられる見込みはなくなったが、今後も新聞業界は恥も外聞もなくロビー活動を展開してくるだろう。彼らの動きに、目を光らせておかねばなるまい。
(文=横山渉/ジャーナリスト)

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