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ボーイング787バッテリー発火事件で広がる余波

B787事故でGSユアサはスケープゴート?ソニー他はLi電池正念場で事業統合へ

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 電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV)などのエコカーに最適といわれながら、自動車にリチウムイオン電池の採用が進まなかったのは、安全性に問題があったからだ。中国では電池・電気自動車のベンチャー企業、比亜迪(BYD)が生産した電気自動車E6のタクシーが12年5月、追突事故に巻き込まれ、運転手と乗客2名が焼死した。追突の衝撃でリチウムイオン電池が液漏れを起こし、炎上した可能性が高いとされた。B787の事故は、リチウムイオン電池の安全性の問題を突きつけた。車への本格導入の可能性は、さらに遠のくことなる。

 リチウムイオン電池の再編をめぐる動きが出てきた。政府系投資ファンドの産業革新機構が、ソニーの携帯電話やパソコン向けの小型電池子会社、ソニーエナジーと、日産自動車とNEC が共同で立ち上げた電気自動車向け合弁会社、オートモーティブエナジーサプライのリチウム電池事業の統合交渉に乗り出した。具体的には、オートモーティブがソニーエナジーの株式の大半を取得した上で革新機構がオートモーティブに出資するという流れだ。

 リチウムイオン電池は、ソニーが91年に世界で初めて商品化した国産技術だ。06年にノートパソコンの発火事故や異常過熱が相次ぎ、ソニーは大規模な回収に追い込まれた。この事故がもとで、韓国のサムスングループに世界首位の座を奪われた。ソニーは自動車用リチウムイオン電池への進出が遅れた。

 ソニーは経営再建の一環として、リチウム電池事業を台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業などに売却することを検討してきた。革新機構が国内企業同士での再編を進めるのは、リチウムイオン電池の技術の海外流出を防ぐ狙いがある。官が電池再編を主導しても、安全性の問題にメドがつかなければ、リチウムイオン電池を搭載する自動車メーカーは増えない。リチウムイオン電池は、正念場に立たされている。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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