時事問題・ジャーナリズムに関するニュース
一歩譲って、TPP参加により落ち目の電機産業の復活につながり、自動車と並ぶ新たな輸出産業育成に道が開けるならいい。だが、その展望がみえない以上、5年後、10年後の実現可能な日本経済の未来図を描くのが先決で、成長戦略の目玉などと嘘をつき、参加を急ぐべきではない。もっとも、日米同盟の強化との大義名分の下、「米国のルールを受け入れるのが“敗戦国”日本の宿命」という覚悟があるのなら別だが……。
(文=大塚将司/作家・経済評論家)
【本連載のアーカイブ】
大企業ブラック化、アベノミクスでも賃金上がらないワケ…ストしない連合の怠慢
朝日新聞社長、安倍首相と“詫び入れ”会食の噂…主筆退任で紙面も擁護論調?
安倍政権でインフレ目標2%の保身に走った日銀の豹変…消費増税見送りも?
安倍自民“大胆”金融政策、朝日日経は反対、読売産経賛成?
日経新聞、復興予算流用“後追い”を“特ダネ”にすり替え!?
※本記事は、「週刊金曜日」(金曜日/934号)に掲載された筆者の連載『経済私考』に加筆したものです。
●大塚将司(おおつか・しょうじ) 作家・経済評論家。著書に『流転の果てーニッポン金融盛衰記 85→98』(きんざい)など