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ゆるキャラグランプリ、今年も開催決定 昨年ワースト3のキャラが人気急上昇?

文=西脇聖/AN FACTORY
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ゆるキャラグランプリ、今年も開催決定 昨年ワースト3のキャラが人気急上昇?の画像1「ゆるキャラ グランプリ 公式サイト」より
 昨年開催された「ゆるキャラグランプリ2012」の「ワースト3」キャラの人気が急上昇しているらしい。

 巷で大活躍の「ゆるキャラ」たち。ゆるキャラとは、「ゆるいマスコットキャラクター」の略称で、全国各地のイベントや名産品、キャンペーンを盛り上げるマスコットとして活躍している。

 そんなゆるキャラのコンテストが行われるのが「ゆるキャラグランプリ」。ゆるキャラという名称を考案したのは漫画家・エッセイストのみうらじゅんさんで、もちろん、扶桑社とみうらさんによってキッチリ商標登録されている。

 そんなゆるキャラをめぐっては、過去に「ゆるキャラショー」を皮切りに、「ゆるキャラカップ」「ゆるキャラまつり」などが行われてきたが、そのゆるキャラ人気を不動のものにしたのが2010年から開催されている「ゆるキャラグランプリ」だ。

 過去3回開催されている「ゆるキャラグランプリ」だが、基本的に一般の人からの投票数の合計でグランプリが決まる。1回目のグランプリは滋賀県彦根市の「ひこにゃん」と思っている人が多い。しかし、応募キャラ169キャラの頂点を決めるのに、第1回は記名投票と携帯電話からの投票があった。ひこにゃんは、記名投票でのグランプリであり、携帯投票部門で1位に輝いていたのが「タボくん」。滋賀県の観光大使である、歌手・西川貴教さんをモチーフにしたキャラクターだ。

 そして、2回目のグランプリは、現在も圧倒的な人気を誇る熊本県の「くまモン」。2回目から全面インターネットによる投票となったが、大量不正投票も発覚し、話題となった。

 3回目のグランプリは愛媛県今治市の「バリィさん」。前回の不正投票の経験を生かし、ID登録制での投票となった。3回目の総エントリーキャラクター数は865で、グランプリのバリィさんは547284ptを獲得している。

 どちらにしても、この「ゆるキャラグランプリ」でグランプリを獲得するだけで、マスコミの注目度も高まり、メディアで取り上げられることも多く、そのPR力は高くなる。昨年1位のバリィさんは、一日警察署長や一日郵便局長まで務め、そのたびにマスコミが集まってくれるのだ。

昨年ワースト3が注目を集めている?

 そんな中、3月、いよいよ「ゆるキャラグランプリ2013」の開催が発表された。8月上旬に出場条件が発表される予定で、エントリー時期などもその頃発表される予定だという。

 先述のとおり、年々盛り上がる「ゆるキャラグランプリ」だが、逆に人気がないキャラはどうなっているのか?

 昨年ワースト3だったゆるキャラに注目してみると、実は、このワースト3はすでに前回グランプリ終了後から注目されているらしい。

「ゆるきゃらグランプリ2011」の最下位であった長野県南箕輪村の「まっくん」は、12年のランキングで48位まで浮上したというから、ワースト3にも視線が集まるのだ。

 まず驚かされたのは、ワースト3がすべて大阪府のキャラクターである点だ。大阪府は都道府県別でも最多の埼玉県の57キャラ出場に続く、55キャラの出場数で2位というゆるキャラ王国。また、今年のゆるキャラコンテストに向けて、すでに動き出している様子が、大阪の地方紙でも取材されている。

ワースト3位:「フルル」

 まずワースト3位のキャラクターは、「フルル」(大阪府河内長野市)。大阪府が運営する「花の文化園」のマスコットキャラクターだ。園内の様子を見ると、たくさんの花が咲いているというだけではなく、イベントホールや工房、レストランなどの施設が充実していて、かなり広い敷地にあるようだ。

 どうして、こんな大きな施設のキャラクターがワースト3位なのか?

 フルルちゃんは、00年に開園10周年を記念してつくられたキャラクター。ゆるキャラブームで生まれたキャラクターというよりは、歴史の深いキャラクターで、公募で1300点の中から選ばれた。前回12年の投票では12ptだったのですが、この時選んだ人たちはどこに行ったのだろうか?

 衝撃的なのは、顔が丸いのは大阪の頭文字「O」をイメージしているということ。言われないと、ただの花のモチーフとしか思えないのも気になる。フランス語で「花」を意味する「fleur(フルール)」と、英語で「いっぱい」を意味する「full(フル)」からつけられた「フルル」という名。「花いっぱいの街づくりをすすめる妖精」は見た目もかわいいので、活躍してもらって、日本を花でいっぱいにしてほしいものだ。

ワースト2位:「浜寺ローズちゃん」

 続いてワースト2位は、「浜寺ローズちゃん」(大阪府堺市)。同市にある「浜寺公園」の「浜寺ローズカーニバル」のマスコットキャラクターだ。

 今年、36回を迎える「浜寺ローズカーニバル」だが、その35周年企画としてデビューしたのが浜寺ローズちゃんだ。まだデビューして1年もたっていない新人ゆるキャラだから順位が低いのも仕方ないのか。しかし、昨年選ばれてパレードまでしている浜寺ローズちゃん、その興奮は早くも冷めてしまったのか?

ワースト1位:「ポピアン」

 そして、堂々の最下位は、「ポピアン」(大阪府堺市)という堺市都市緑化センターのマスコットキャラクター。ポピアンのシンボルフラワーであるカルフォニアポピーから生まれた天使だそうだが、モチーフが花だという事実にも驚かされる。オレンジ色の体が花で、緑色の手足が茎だという。最初に見た時は、宇宙人かなと思ってしまう。

 ポピアンは、07年に緑化センターの20周年を記念して、職員さんのデザインによって生まれ、前回集めた票は4pt。1桁の投票数は「ポピアン」のみであり、逆に、「4ptしか集まらないとはどういうキャラクターだ?」と注目をされ、最下位効果で取材依頼も殺到しており、注目度が急上昇しているという。ちなみに、現在Twitterのフォロワー数は2310となっている。

「ポピアン」が最下位であった原因を見てみると、まずは「堺市都市緑化センター」のみで活躍するキャラクターで、他に活躍の場が少ないのが原因ではないかと見られている。確かに、露出が少ないというのは致命的だ。

 しかし、それだけなら「フルル」や「浜寺ローズちゃん」と大きく変わらない。
「ポピアン」は、「フルル」のように公募で選ばれたわけでもなく、「浜寺ローズちゃん」のように誕生をイベントで大きく発表したわけでもない。知名度という点では、圧倒的に低いのかもしれない。

 また、4ptという成績を見ると、地元票すら入らなかったのだろうかと疑問に思えるが、堺市が生み出し、ゆるキャラグランプリにエントリーしているキャラクターは合計7キャラもあった。このおかげで、堺市の地元票も他のキャラクターに分かれてしまったのかもしれない。もしくは、キャラクターが多すぎて、市民も「ポピアン」に気づいていないのかもしれない。

 ただ、どちらにしても「ポピアン」の注目度は上がっている。関西では、最近テレビでも露出を増やしているのだ。人気急上昇した「まっくん」のように、「ポピアン」にも期待が集まる。

 もし、この「大阪ワースト3トリオ」が人気急上昇することになれば、大阪府は大きく盛り上がりを見せることになるだろう。12年の結果に落ち込まず、是非エントリーしてほしい。2013年は、果たしてゆるキャラが大阪を盛り上げるのか、密かに期待してしまう。
(文=西脇聖/AN FACTORY)

西脇聖/AN FACTORY

西脇聖/AN FACTORY

株式会社AN FACTORY代表。2010年の会社設立以来、情報サイト、雑誌、MOOK本、フリーペーパー等で、神社仏閣ライターとして神社やお寺に関する記事や特集を主に担当。

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