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地域経済活性化支援機構の初仕事は紅乙女酒造の救済

ゾンビ企業を延命させる税金のムダ遣い!? 地域支援機構が中山製鋼所を支援


 中小企業の借金返済を猶予する金融円滑化法が3月末に終了したため、その受け皿として企業再生支援機構を改組して地域支援機構が発足した。前身の企業再生支援機構に比べ、出融資枠を3000億円から1兆円に拡充し、再生計画の策定や債権買い取りなどを決定できる期限を、3年以内から5年以内に延長した。

 地域支援機構では、旧機構から引き続き瀬谷俊雄氏(元東邦銀行頭取)が社長を務める。支援を決める地域経済活性化支援委員長の新しい委員長に“倒産弁護士”として知られる松嶋英機氏が就任した。3月末までに紅乙女酒造、中山製鋼所など5件の再生支援を決定した。松嶋委員長は「支援対象は原則として中小企業だが、地域経済にとって重要と判断すれば大企業についても(支援を)真剣に検討したい」と就任会見で述べている。支援の相談を受けているのは旧・企業再生支援機構時代から継続するものを含めて323件にのぼるという。

 だが、地域支援機構は中堅・中小企業の再生支援が目的かといえば、そうとばかりはいえない。本当の目的は金融不安を回避することにある。地銀と共同出資で全国に約70、総額2000億円規模の再生ファンドを立ち上げる。この再生ファンドを通じて地銀が抱える問題債権の処理にあたるのが隠れた、本当の狙いだ。支援機構の約1兆円の政府保証枠は、40~50兆円ともいわれる地域金融機関の問題債権を全額償却した場合に必要となる金額(最低額)から逆算して弾き出された数字といわれている。

 地域支援機構は地域経済の活性化の切り札となり得るのか。ゾンビ企業を延命させるために税金をムダ遣いする組織、と酷評する向きもある。税金を使った参議院選の選挙対策、といったらうがち過ぎか。口の悪い向きは「中山製鋼所は立派なゾンビ企業」と言い放つ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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