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三菱重工、神戸造船所商船建造撤退に揺れる地元…孫請けまで失業者波及

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A 今の会社に籍があるといっても、出入りの職人ですから……。会社に仕事はないし、ほかの会社も当たってみたけど、さっぱりです。知り合いの鉄工所を手伝わせてもらっていますが、収入は減りました。でも、私なんかまだ良いほうで、私と同業の知り合いは、再就職もままなりません。何か組合みたいな組織が、三菱や神戸市の行政に掛け合っているという話も聞きますが、なかなか仕事は見つかりません。世間は「景気回復している」などといいますが、私たちができる仕事がないので、どうしようもありません。

●注力の原子力関連事業にも暗雲

 神戸造船所は、意外にも船をつくるだけが仕事ではない。かつては商船、潜水艦といった船舶がメインだったが、今では、原動機や原子力機器、半導体製造装置、宇宙機器の開発、機械、鉄鋼など広く扱っており、実態は「造船も行える工場」といった趣だ。それでも社名に「造船」と入っているのは、「工場の起源が造船で、長らく親しまれた名前なので、今さら変えられないのだろう」(三菱重工業社員)という事情があるようだ。

 三菱重工業本社事務系社員は、次のように語る。

「商船建造撤退では、長年、弊社のために尽力いただいた協力会社に迷惑をかけ、その社員さんを路頭に迷わせた。そこまでして弊社が注力してきたのが、原子力関連事業ですが、この事業は、今大幅に減ってきている。協力会社のみならず、地元神戸市民の方にまでご心配をお掛けした」

 基幹事業とされた商船建造を取りやめ、注力してきた原子力事業が激減では、経営責任が問われて当然だろう。4月1日付で、三菱重工業としては42年ぶりの事務系出身社長となる宮永俊一氏が新社長に就任し、神戸造船所の商船建造撤退が撤回される可能性はあるのか? 神戸市行政、関西財界、労働界も多大なる関心を持って注目している。
(文=秋山謙一郎/ジャーナリスト)

BusinessJournal編集部

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