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「初音ミク」長期ブームを支える、販売元クリプトン社の“驚異的な”ライセンス戦略?

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 さて、ここで前回の問題提起を思い出していただきたいと思います。

「初音ミク」の父方の兄弟の娘であるオリジナルのキャラクター「初芽ミロ」というキャラクターを、「初音ミク」といっしょに記載したAさんのマンガがあったとします。

 このAさんのマンガを利用して、さらにあなたがその従兄弟のアパートの隣の住人である第3番目のキャラクター「初出ミレバ」を「初芽ミロ」と「初音ミク」の3人で登場させたマンガを創作したとします。

 整理します。

(1)一次著作物:「初音ミク」(権利者はクリプトン社)
(2)二次著作物:「初音ミク」+「初芽ミロ」(←Aさんが創作したマンガ)
(3)三次著作物:「初音ミク」+「初芽ミロ」+「初出ミレバ」(←あなたがつくったマンガ)

筆者作成

 あなたは、PCLに基づき「初音ミク」の利用に関しては、クリプトン社への許諾申し入れの電話は不要となりますが、Aさんへの「初芽ミロ」の利用に関しては、許諾申し入れの電話やメールでの交渉は必須となるはずです。

 これが、私が問題提起した、「PCLの限界」です。

 PCLは「初音ミク」の利用しか担保してくれません。Aさんの創作した「初芽ミロ」については、著作権法(ここでは、21、27、28条)が適用され、あなたのつくったマンガは、Aさんの許諾がない限り、世の中に発表することはできません。つまり、「N次創作の問題」は、解決されていないのです。

●「PCL」+「ピアプロ」連携によるN次創作問題の解決

 コンテンツ投稿サイト「ピアプロ」が、その機能を最大限に発揮するのは、ここからです。

 先ほど、「クリプトン社の体育館(=ピアプロ))には、どんな作品を持ち込んでもよい、というお話をしました。しかし、あなたが、自分の作品を体育館に持ち込んだまさにその瞬間、以下のライセンス条項(ピアプロ利用規約第11条第6項)【註2】が発動してしまうのです。

『Aさんが自分の作品を「クリプトン社の体育館(=ピアプロ)」持ち込んだ瞬間、Aさんは、体育館の入館証を持っている全ての人に対して、(1)Aさんの作品を利用して新しい作品をつくることと、(2)その新しい作品が世界中に公開されることを、原則として許諾しなければならない』【註3】

つまり、こういうことです。

(1)Aさんもあなたもピアプロの会員であって、
(2)Aさんが、「初音ミク」+「初芽ミロ」のマンガの作品を「ピアプロ」に投稿している場合、
(3)あなたは、Aさんの許諾をもらわなくても「初芽ミロ」を使用できて、
(4)「初音ミク」+「初芽ミロ」+「初出ミレバ」のマンガの作品を、あなたのホームページで公開することも、また、ピアプロや、他のマンガ投稿サイトでも投稿することができる。

 もう一度、説明しますと、「クリプトン社の体育館」に展示された絵を摸写して、ちゃっかり自分の絵に取り込んだ作品を創作して、世界中のどこで公開したとしても、その絵の作者から「おい、なに、人の絵を勝手に使ってやがるんだよ」と文句は言われることは、基本的にはないということです。

 整理しますと、

(1)「初音ミク」を利用する作品に関しては、「初音ミク」の利用を許諾するという「PCL」によって保護されることになります→「初音ミク」を利用した2次著作の創作と公開の自由の担保の実現

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