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IGPIパートナー塩野誠「The Critical Success Factors Vol.12」

日本の法的環境が素晴らしいといえるワケ アジア新興国の“ワイルドな”実態とリスク

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 ほかにも法律やガイドラインがどこまで束縛するのか、強行性を持つのかも問題ですし、いざ紛争になった際に裁判所や仲裁機関がちゃんと機能するのか? という根本的な問題もあります。某国では最高裁の判決が出たすぐ後に、過去に遡及してまったく反対の効果を生じるような法案が審議に入ったりします。

 M&Aの取引でも予見可能性は重要で、例えば米国企業はその半数がデラウエア州で設立されていると言われますが、デラウエア州の会社法はビジネス関連の判例が極めて多く、こうするとああなるという見通しがつきやすくビジネスがしやすいということがあります。デラウエア州の判事と話をしたことがありますが、「ウチの会社法は先進的で予見可能性も高い、来たれデラウエアへ」と良い意味で州の営業マンのようでした。

 こうした洗練された環境に比べると、アジアの新興国はワイルドであり、契約を締結したからといって安心ではなく、モノを見るまで絶対に払わない、表明保証させるより現物を確認、といった物理的なリスクヘッジが有効な気がします。ちょっと日本を出ると、なんだかんだ言って日本の法的環境は相対的に素晴らしいと思います。
(文=塩野誠/経営共創基盤 パートナー マネージングディレクター)

※本稿は筆者個人の意見であり、所属する団体等の見解ではないことをご了承ください。

塩野誠(しおの・まこと):経営共創基盤 パートナー/マネージングディレクター
ゴールドマン・サックス証券を経て、評価サイト会社を起業、戦略系コンサルティング会社のベイン&カンパニーを経た後、ライブドアにてベンチャーキャピタル業務・M&Aを担当し、ライブドア証券取締役副社長に就任。現在は経営共創基盤(IGPI)にて大企業からスタートアップまで、テクノロジーセクターの事業開発、M&Aアドバイザリーに従事。著書に『プロ脳のつくり方』(ダイヤモンド社)、『リアルスタートアップ』(集英社)がある。慶応義塾大学法学部卒、ワシントン大学ロースクール法学修士。

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