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コメ先物取引、正式解禁議論から透ける、加速する農家の農協離れ…価格乱高下の懸念は?

「投機云々でコメ価格が乱高下というのであれば、流通大手が出てきた時点で十分あり得た話だが、そうならなかった 。むしろコメ先物市場が成熟すれば、コメ価格のスタンダードができるので、かえって健全な値決めを市場が行うことになる」(市場関係者)

 前出の市場関係者は、ODEが個人の取引参加に積極的でないのは、まさにこの“投機”が理由であるという。

 「投機を目的としていい金融商品は、日経225miniのような株価指数先物。しかしコメ先物は、現物受け渡しもあり、投機目的の金融商品ではない。どちらかといえばヘッジ目的の金融商品。ODE側としては個人に積極的にPRしないのは、そうした背景があるのではないか」(市場関係者)

 アメリカで穀物を原商品とする取引所、CME(シカゴ先物市場)では、個人の取引参加は、1割から2割程度。多くは小売者、生産者、商社といった当業者である。

 「先物取引への捉え方の違いが大きい。日本では、ともすれば投機のイメージが強いが、海外ではヘッジ目的として捉えている」(ODE)

 天候、為替、地政学的要因など、さまざまな価格変動要因から価格の乱高下を避けるために先物取引を用いるというのがヘッジ取引だ。農協がいう「価格の乱高下」を避けるには、健全で成熟した市場があったほうが理にかなっている。ODEのコメ先物こそ、まさにうってつけではないだろうか。
(文=秋山謙一郎/ジャーナリスト)

BusinessJournal編集部

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