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参院選の目玉・ブラック企業政策、各党の政策を検証~企業名公表、取り締まり強化…

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・まとめ

 今回、各政党のブラック企業対策を検証してきた。全体として、若者の労働問題に対する意識が高まっていることは評価できる。だが、具体的な政策についてはまだ検討が足りないことが多く、看板倒れにしか思えないものも見受けられる。特に、最近のブラック企業対策の議論を牽引してきた自民党が尻すぼみになり、ブラック企業として名高いワタミの創業者である渡邉美樹氏を比例代表として公認したことは致命的だ。

 実は、自民党はマニフェストの発表前、雇用問題調査会が4月19日に出した「今後の我が国の成長を支える若者・女性・高齢者の就業の在り方に関する提言」の「早期離職防止のための取組の強化」という項目で、以下のブラック企業対策を提出していた。

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1.「若者応援企業」を活用して企業等ごとに以下の就職関連情報等の公開を促進することにより、情報不足等による早期離職の発生防止を図る。

(1)新卒者等の採用実績・定着状況(産業別・規模別の離職状況も併せて提示)
(2)残業時間
(3)有給休暇・育児休業の取得状況

2.若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対応策を強化する。

(1)若者からの情報提供・相談を受け付ける相談窓口を開設し、特に問題のある企業等については、就職斡旋の停止を含め、入職を抑制する方策等を検討する。
(2)雇用保険データやハローワーク利用者等からの苦情や通報を端緒に離職率が極端に高い企業等を把握し、雇用管理指導等を行う。
(3)サービス残業など法違反が疑われる企業等に対しては、労働基準監督署が立入調査等を行うとともに、重大・悪質な違反をする企業等に対しては、司法処分により厳正に対処し、公表を行う。さらに、法違反により過労死などの重大な労働災害を繰り返して発生させた企業・事業所名の公表について検討を行う。
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 なかなか充実している。だが、この提言の内容が、最終的な自民党の公約に反映されることはなかった。政策集に「正社員として就職した若年者の早期離職の発生防止や若者の『使い捨て』が疑われる企業への対応策を強化」という表現が残っているのみである。

 与党が「ブラック企業対策」から大きく後退してしまったことは、非常に残念だと言わざるを得ない。結局、選挙では「国民の中の少数派」としての若者の意見は反映されないということなのだろうか? 絶望感すら感じてしまう。

 次回は、参院選後に予定される規制緩和も視野に入れながら、各政党の雇用政策について検討したい。
(文=今野晴貴/NPO法人POSSE代表)

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