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防衛大入校者の2割以上?自衛官ではなく民間就職を選んだOBの本音〜便宜与える企業も

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B 文系は、理系と比べて、留年退校を余儀なくされた人というのは聞きません。ただ、文理問わず、防大は1学年から4学年まで、立場は変わっても、誰かが常に自分を見ている。教官だったり、先輩、同期、後輩と。そうしたプライバシーのなさ、強制参加の部活動もあり、自分のペースで勉強ができない。そのため、学業面で振るわない人も出てくる。民間すなわち外の世界だと、自分のペースで勉強したり、仕事ができるので、最大限のパフォーマンスが発揮できるのです。

――必ずしも防大生活の厳しさだけが理由で、退校するというわけではないと?

A そうです。任官拒否や卒業後の早期退職も、集団生活、プライバシーのなさといったものも理由に挙げられると思います。

――防大の文系では、国際関係論専攻の学生に、任官拒否者・早期退職者が多いと聞きますが?

B 任官拒否者・早期退職者が多いかどうかはわかりませんが、国際関係論専攻の学生は、防大生の中でも、一般の大学の人たちに引けを取らない、柔軟な思考力を持っている人は多いように感じます。ですから、そういう人たちは、民間でも通用すると思います。

●民間企業と自衛隊の違い

――民間企業と自衛隊、防大卒のお2人からみてどう違います?

A 自衛隊はマニュアルが徹底されている。そこは素晴らしい。だが応用が利かない。特に曹士自衛官(編註:下級自衛官の総称)にその傾向が顕著です。だから若手幹部が何か新しいことをしようとしても、それが阻まれることがある。その点、大卒総合職として採用された民間企業では、職位が下位の社員でもプロフェッショナルであることが求められ、高い利益やパフォーマンスを追及しなければなりません。自衛隊では、幹部といっても、自分より年上の曹士自衛官から「いかに楽させるか」を求められることがあります。民間企業ほどのプロ意識を持っていない人の割合が意外に高いです。

B 仕事のスピード、即応性、柔軟性……、本来、自衛隊が求められているものは、民間企業では、実に普通のこととして捉えられているところです。自衛隊といってもお役所であり、何か行うときは、書類と稟議に追われます。そこが違います。

――任官拒否、卒業後、早期退職されたことに後悔は?

A ありません。制服を脱いだものの、意識は防大OBとして、私服で民間企業に勤務しているつもりなのです。民間、即ち“外”の世界で防大のプレステージ(権威・名声)を上げるべく、今日まで励んでまいりました。

B 私も後悔はありません。防大卒民間企業人として、“外”から防大と防衛省・自衛隊を守り、盛り立てていく、そんな役回りをさせていただいているという思いです。自衛隊はもちろん、民間企業、法曹界、官界、政界とありとあらゆる業界に防大OBがいることこそが、防大のプレステージを高めると信じています。

――任官辞退者、自衛官任命後、早期退職した方から学費を徴収しようという制度が、将来的に適用されようとしていますが?

A 反対です。確か、国立大学の学費に準じた250万円を返還するそうですが、すぐに返せる額とはいえ、金で返せない恩義や負い目があるからこそ、防大への愛着と矜持があると思います。

B 一般大学は学校に通いながら学費を納めるが、防大は卒業後に納めればいい、という意見も出てきかねないですから。なんとか撤回してもらいたいです。

●任官拒否者、自衛隊6年以内退職者の学費返還は忠誠心をなくす?

 このままいけば、平成26年4月以降に入校する防大生は、任官拒否や卒業後に早期退職した場合、国立大学の学費に相当する250万円を返還することになる。だが、その結果、任官拒否も早期退職も「金さえ払えばいいんだな」という風潮につながりかねない。

 4年間の厳しい学業と訓練に耐えながら、真剣に悩んだ末、幹部自衛官以外の進路を見いだしたというのであれば、これは国家・国民の懐の深さとして、4年間の学費を賄ってもいいのではないだろうか。嫌々ながら勤務する幹部自衛官を輩出するよりも、むしろ別の進路で社会に役立つ人材を防大が輩出できれば、それはそれで社会のためになるのではないだろうか。
(文=秋山謙一郎/ジャーナリスト)

 

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