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反応さまざまなあのニュースをどう読む? メディア読み比べ(9月6日)

宮崎駿監督引退、国内外の反応を整理「ディズニーを超えた」「また“引退詐欺”」

文=blueprint
宮崎駿監督引退、国内外の反応を整理「ディズニーを超えた」「また“引退詐欺”」の画像1DVD『プロフェッショナル 仕事の流儀スペシャル 宮崎 駿の仕事』(NHKエンタープライズ)より

 7月20日に公開され大ヒット上映中の映画『風立ちぬ』を最後に、長編映画製作から退く宮崎駿監督が、本日9月6日14時から記者会見を行う。

 これまで数々の名作を送り出してきた宮崎監督。引退を惜しむ気持ちもあってか、2ちゃんねるやツイッター上では「引退詐欺」の常習犯だとして、次のような“コピペ”が出回っている。

「86年『ラピュタ』→宮崎、コケて引退をほのめかす
 92年『紅の豚』→宮崎『やりたいことはやった。アニメはもうおしまい』
 97年『もののけ姫』→宮崎『これを最後に引退』
 04年『ハウル』→宮崎、情熱がもてなくなったと引退を示唆
 13年『風立ちぬ』→NHKトップニュースで引退報道」

 引退宣言を繰り返す理由として、2日付J-CASTニュース記事では、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーがかつてインタビューで語った「毎回、全身全霊を打ち込むから、そうなってしまうのですよ」「本人には、だます気などさらさらない」という言葉を引き、「全て出し切ってしまってこれ以上の製作は無理だと『引退宣言』してしまうが、暫くすると心身が充実し始めて『また製作したい』と思うらしい」とまとめている。多くのファンが今回もそうなることを期待しているものの、ベネチア国際映画祭という大舞台の公式会見で明らかにされたこともあって、本人の口から今後、何が語られるかと注目が集まっている。

 一方、海外メディアは偉大なアニメーション監督の足跡を振り返るなど、着々と“花道”を作り上げている感がある。

 2日付日本経済新聞電子版がまとめたところによると、英紙デーリー・テレグラフ電子版は『風立ちぬ』の映画評のなかで引退に触れ、主人公の「芸術家や技術者が活躍できる期間は10年しかない」というセリフとともに、「宮崎監督は芸術家でも技術者でもあり、30年以上活動しているが、私たちを驚かせ続けている」と紹介。

 またロイター通信は1日、「『日本のウォルト・ディズニー』とも評される監督」と報じているが、3日付ウォールストリート・ジャーナル記事『引退する宮崎駿監督–ウォルト・ディズニーを超えていたか』では、「アニメーションに対する宮崎氏の影響力はグローバルだった」「環境保護は宮崎氏の映画のメーンテーマであり、地球温暖化をめぐる懸念の高まりとともに、彼のビジョンはますますビジョナリー(先見性、洞察力の ある)になっているようだ」と分析。日本の友人に日本のウォルト・ディズニーだと宮崎監督を紹介されたという筆者は、その評価に対して「宮崎氏がそれをはるかに上回っていることを学んだ」と締めくくっている。

 3日付MSN産経ニュース記事も「映画の黒澤明監督、漫画の手塚治虫氏の系譜にある巨匠の引退を、世界が惜しんでいる」として、AP通信による「アニメ界で最も称賛され成功を収めた監督の一人」という声を紹介。「この世界で72歳の引退は早すぎる」というのは当の宮崎監督に対して酷な気がするが、いずれにしても“クールジャパン”の先頭ランナーとして日本のソフト文化を牽引してきた巨匠が本当に引退するのであれば、今後はその後継者を育てることに注力してほしい、という見方もある。息子で『ゲド戦記』(2006年)、『コクリコ坂から』(11年)の監督である宮崎吾朗氏については、その才能に対する評価が分かれていることもあり、スタジオジブリ内での後継者育成について、不安と期待を持って見つめているファンが多いようだ。

 これまでの“引退発表”とはニュアンスが違うとはいえ、クリエイターの血が騒ぎ、宮崎監督がまた長編映画を撮るかもしれない……と考える人は少なくないはず。その“オオカミ少年”ぶりでネットユーザーからはやや冷ややかに受け止められている状況だが、本日の宮崎監督の引退会見は彼らを納得させ、海外メディアのように惜別の思いを抱かせる内容になるだろうか。会見の模様はニコニコ動画でも中継されるため、流れるコメントの内容に注目してみるのもいいかもしれない。
(文=blueprint)

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総合カルチャーサイト「Real Sound(音楽・映画・テック・ブック)」の運営や、書籍や写真集の発行、オウンドメディアの制作支援など“編集”を起点に様々な事業を行っている。
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