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『ブランド 「自分ブランド」を築く48の心得』著者・岩田松雄氏インタビュー

スタバはなぜ値下げやテレビCMをしない?高いブランド力構築の戦略を元CEOに聞く

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岩田 本来は自分がどうなりたいか、自分は世の中にどのように貢献していきたいかというミッションがあって、それをどのように伝えていくかという意味でブランディングが必要なのです。だから、ミッションを持たず、外見や発言内容だけをテクニカルに訓練しても、本質的に人を惹き付けることはできません。どう生きるかということが大事なことなのです。自分の見せ方に重きを置くだけでは、決してブランドにはならないということです。こうやれば儲かる、こうやったら格好いい、だからやるというのは本末転倒な感じがします。

–最後に、20代から30代の人たちに対して、キャリア形成の面からアドバイスをお願いします。

岩田 藤島桓夫さんが歌った『月の法善寺横丁』の「包丁一本、さらしに巻いて」ではありませんが、会社がどうだとか、今の環境がどうだとかと言う前に、自分の包丁を研ぐこと、つまり自分自身を磨くことが大事だと思います。コツコツ努力をし、自分自身を磨けば、どれほど周りの環境が変わろうとも、どこでも通用します。そして、自分の履歴書に、こういう実績を上げたと書けるように、目の前の仕事を一所懸命やり遂げることです。

 私は、つくづく自分の人生を振り返ってみて、無駄なことは何もなかったと実感します。大学卒業後に日産自動車に入社し、セールスマンの時は、目の前にある仕事、つまり車を売ろうと努力したわけですね。努力をして実績を上げたから留学することができました。留学したことで次々と大きな仕事のチャンスが巡ってきたのです。そして、09年にはスタバの代表取締役CEOに就任することができたわけで、振り返ってみるとすべて必然としてつながっているのです。

 もちろん日産自動車に入社した時に、将来はスタバという1000億円企業のCEOになるというような気持ちを持っていたわけではありません。目の前の仕事を一所懸命やり遂げてきたことの結果なのです。点と点は結ばれています。

 自分はこれだけ頑張っているのに給料が増えないと嘆く人がいます。私もそう思っていた時期がありました。でも、頑張って成果を上げている人には、もっと大きな、チャレンジングな仕事が与えられます。つまり、「仕事の報酬は仕事」ということなのです。だから、目の前の仕事を一所懸命やらなければ、次の仕事はありません。目の前の仕事を一所懸命やらず、キャリアアップと称して転職だけを考えているような人は、次のところでも同じ問題が起こります。ですので、若いビジネスパーソンの方々には、目の前のハードルを一つひとつクリアすることに一所懸命に取り組んでいただきたいと思います。

–ありがとうございました。
(構成=編集部)

BusinessJournal編集部

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