NEW
「ダイヤモンド」vs.「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(11月第5週)

トヨタ下請けの悲痛な叫び~年間3000億の原価低減と、生産拠点合理化の裏側

【この記事のキーワード】,

 巻頭では『【Prologue】 独裁者か、改革者か 豊田章男の独白』と社長インタビューを掲載。「社員の誰一人として浮かれていない。(略)(IR説明会でも)加藤(光久副社長)さんが『TNGAの話とか、商品を前面に出したことを言っている。少しずつ、トヨタは変わってきたなと。本当は今期決算よりも、1ドル=79円の為替でも単独営業黒字になった前期決算をほめてほしい』」とトヨタの変化を語る。

 最後には「クルマ離れといわれている時代に、生産シェアの4割を占めるトヨタが、トヨタだけのことを考えていてはダメ。」「自動車業界みんなで盛り上げていきたい」と前向きだ。

●利益が出ていても、下請けメーカーには厳しい状況

 ここまでであれば、企業サイドに立った特集にすぎないのだが、今回の特集で秀逸なのは『下請けメーカー覆面座談会 章男社長にモノ申す!』という現場レベルの本音座談会を掲載していることだ。

 トヨタの年2回の部品価格の改定に納得できるのかという問いについては「そんなわけないでしょう。円高を理由に値下げさせたのに、円安の今だって下げさせるんだから。昔はカイゼンをして、うちらの利益も確保したコストダウンだったけど、最近は最初から数字目標ありき」「利益が出ている間くらいコストダウン要求はストップしてほしい。このままいったら日本のモノづくりがダメになる」「トヨタは、うちら下請けを生かさず、殺さず手なずけてる。章男社長、ついていくからもっと優しくしてください(笑)」と下請けメーカーの本音は章男社長に厳しい。

 トヨタの設計力が落ちていることも指摘し、TNGAに関しては「ようわからん(5人中2人が用語すら知らず)」「モジュール化ということなら、ホンダや日産自動車が先行しているんじゃない?」と散々だ。

「『原点回帰』とか『いいクルマを造る』とか、豊田社長が言っていることは、すごくいい。でも、それが末端の社員やピラミッドの底辺まで伝わっている気はしない。そうなってこそ、真の意味でトヨタは再生した、といえるんじゃないかな」と、まとめられている。

 創業者の豊田佐吉(章男社長の曾祖父)は「上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし」を第1項におく豊田綱領を残したが、その理念が実行できるか、これからが正念場だろう。
(文=松井克明/CFP)

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

ニュースサイト「Business Journal」

情報提供はこちら

RANKING

5:30更新
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合