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今さら聞けない、ビットコインって何?なぜ急騰?次世代通貨としての期待と問題点を整理

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今さら聞けない、ビットコインって何?なぜ急騰?次世代通貨としての期待と問題点を整理の画像1「Thinkstock」より
 仮想通貨ビットコインが、この1年で90倍以上、流通開始以降だと4000倍に急騰している。その背景には投機目的だけでなく、世界金融危機以後、管理通貨制度に対して向けられている不信感が存在しているようだ。

 2009年に運用が開始されたビットコインは、10年の初取引では1ビットコイン=0.3セントでしかなかった(ビットコインは取引所によって交換レートが異なるが、本稿では東京にある大手取引所「Mt.Gox」を基準とする)。その後もしばらくは低調な取引が続いたが、12年から次第に拡大し、13年に取引が爆発的に増えることとなった。

 13年1月の取引開始時点では、1ビットコイン=13ドル台にすぎなかったが、4月には200ドルを突破。しかし、4月10~11日には、266ドルをつけてから130ドルにまで急落するなど、激しい乱高下も見せた。その後も7月に70ドル、11月初めに200ドルとアップダウンを繰り返した。

 4月にビットコインが注目され、取引が活発になった一因としては、キプロス危機が考えられる。3月にキプロスの金融危機が起き、ユーロ離脱が取りざたされた時、代替的な通貨としてビットコインに注目が集まった。

●ビットコインの利便性

 その理由は、ビットコインには国際決済・送金が容易といった利便性のほかに、ある特徴があったからだ。それは流通量は人為的に操作ができないように設定されており、その発行額は将来的に最大2100万ビットコインで固定されるようになっているという点だ。通貨の発行・管理を行う中央銀行のような組織が存在せず、「採掘」することで新しく通貨が発行される仕組みとなっている。複雑な数学問題をコンピュータで解くと「採掘」され、その人の所有物となる。

 つまり、リアル通貨のように(時として政治的な影響を受けやすい)中央銀行が管理していないため、人為的なインフレーションが起きないといわれている。流通量が一定という意味で、金(ゴールド)に似ていると考える人もいる。ちなみに、こうしたビットコインのコンセプトは、ナカモト・サトシ(中本哲史)なる人物が書いた論文が元になっているが、その実在・素性は明らかになっていない。

 世界金融危機以降、中央銀行による恣意的な運用が可能な管理通貨制度に対して不信感を抱き、昔のような金本位制度に復帰することを求める声が一部で拡大するようになった。そうした流れの中、ビットコインの次世代通貨としての可能性に期待が集まったともいえる。

●悪用される危険

 一方で、ビットコインにはさまざまな問題点が指摘されている。クレジットカード決済や個人情報にひも付けされた仮想通貨などと違い、ビットコインは匿名性が高い。そのため、麻薬取引やマネーロンダリングなどに悪用されることが懸念されている。

 ビットコインの盗難事件や詐欺事件も起きている。13年11月には、ヨーロッパのビットコイン取引所で、サーバーが何者かに攻撃され、保管されていた100万ドル相当のビットコインが盗まれる事件が発生した。中国では詐欺グループの運営していたビットコイン取引所が突然閉鎖され、投資家が預けていた1270万ドル相当の資金が騙し取られたという。

 また、ビットコインの投機熱を心配する声もある。現にビットコインの通貨価値はバブル状態だ。13年11月初めに1ビットコイン=約200ドルとなったビットコインは、11月末には約1200ドルにまで上昇した。その後、12月7日に約600ドルにまで暴落してから、数日後には約900ドルに戻すなど、アップダウンを続けている。

BusinessJournal編集部

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