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「【小説】巨大新聞社の仮面を剥ぐ 呆れた幹部たちの生態<第2部>」第56回

害悪を撒き散らす新聞業界のエゴ~日本の会社制度の根幹を揺るがし、自分たちは不当利得

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 部屋に入り、三人が炬燵に入ると、若女将は出入口の唐紙のところで正座をして畏まり、改めて「いらっしゃいませ」と、頭を畳にこすり付けるようにした。

「そうしゃっちょこばるな」

 炬燵に足を入れた太郎丸が声をかけると、若女将は面を上げ、両脇に座った吉須と深井の二人に交々目をやった。そして、吉須のところで目を止めると、奇声を上げた。

「え、お客さん、スーさんと違いますか?」
「え、俺のこと、覚えていたの? 悪い予感がしていたんだ」
(文=大塚将司/作家・経済評論家)


【ご参考:第1部のあらすじ】業界第1位の大都新聞社は、ネット化を推進したことがあだとなり、紙媒体の発行部数が激減し、部数トップの座から滑り落ちかねない状況に陥った。そこで同社社長の松野弥介は、日頃から何かと世話をしている業界第3位の日亜新聞社社長・村尾倫郎に合併を持ちかけ、基本合意した。二人は両社の取締役編集局長、北川常夫(大都)、小山成雄(日亜)に詳細を詰めさせ、発表する段取りを決めた。1年後には断トツの部数トップの巨大新聞社が誕生するのは間違いないところになったわけだが、唯一の気がかり材料は“業界のドン”、太郎丸嘉一が君臨する業界第2位の国民新聞社の反撃だった。合併を目論む大都、日亜両社はジャーナリズムとは無縁な、堕落しきった連中が経営も編集も牛耳っており、御多分に洩れず、松野、村尾、北川、小山の4人ともスキャンダルを抱え、脛に傷持つ身だった。その秘密に一抹の不安があった。

※本文はフィクションです。実在する人物名、社名とは一切関係ありません。

※次回は、来週12月20日(金)掲載予定です。

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