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天狗、はなまる…ブラックの代名詞・外食業界でも、なぜホワイト?高待遇に手厚い福利厚生

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【事例3 はなまる(うどん店「はなまるうどん」を運営)】

 セルフ式讃岐うどんのチェーン店としては、今やトリドールの「丸亀製麺」のほうが店舗数でも(丸亀:690店、はなまる:321店)、売上高でも(丸亀:646億、はなまる:221億)勝っている状況ではあるが、はなまるは香川県下では最大店舗数を誇り、県内アンケートにおいて「よく行くうどん店」「大好きなうどん店」とも、2位以下を大きく引き離してトップランキングのブランドである。

 同社がホワイトな点としては、同業界にはありがちな24時間営業店がないこと、完全週休2日制をとり、夏冬の休みのほかに退職金制度もあることが挙げられる。また子供手当、子供の入学や結婚の祝い金といった手当がある上、転勤時は家族連れでもOKで、引越費用も全額企業持ち、さらに異動手当もあり、住居も企業が探し、金額を負担する。単身赴任の場合も帰省手当まで支給するという手厚さだ。ほかにも中途採用の面接時に、応募者の事情によっては企業側から出向いて面接することまで明記している。

 そして同社は、次世代育成支援対策推進法に基づいて「くるみんマーク」を取得している。これは、仕事と子育ての両立ができる環境整備を進め、いわゆるワーク・ライフ・バランスが実現できるように制度を整えている証しだ。実際、社員のライフステージごとの多様な働き方を可能とする勤務制度の整備、出産・育児関連制度の充実、全従業員へのワーク・ライフ・バランスに関する啓発活動などを継続的に行っている。

 それでいて、耳に聞こえのいいことばかりを言わないスタンスも好ましい。同社の新卒学生向けの企業説明会では、最初の一言が「弊社には入らないほうがいいですよ」から始まる。外食業界の仕事の厳しさと、同社独自のチャレンジを要求する厳しさを伝え、軽い気持ちやミスマッチで入社しないようにしているのだ。この姿勢こそ、「こんなはずじゃなかった……」という不本意な人を出さないために大事なことである。往々にして、良い部分だけを見て軽い気持ちで入った者が「あの企業はブラックだ……」と噂を流すのだから。

●従業員を大切にする店を客が重用すれば、好循環が生まれる

 理論上や口先では「社員のために働きやすい環境を整えています」くらいのことはいくらでも言えるが、やはり言ったことを実現し、それを維持し続けることは格段に難しい。各社の取り組みは、社員を大切にしようという気持ちが形になって表れており、賞賛に値しよう。

 これらの特徴は、外食業界の中で比較したらホワイトに見えるものの、本来的には至極「できていて当たり前」レベルにもかかわらず、ほかの企業はできていないところが「外食業界=ブラック」と見られる原因なのだ。

 しかしながら、ブラックの代名詞である外食業界でも、これだけのことを実現できている企業があることは事実。従業員を大切にする企業なら、従業員側も企業を大切にするだろう。その気持ちや情報はすぐさま拡散し、「じゃあ、これから飲み会は天狗だな」「久々に、はなまるに行ってみるか」などという人を増やしていくのだ。そんな好循環が当たり前になってくれば、働き方のスタイルも今後、着実に変わっていくことだろう。
(文=新田 龍/ブラック企業アナリスト、ヴィベアータ代表取締役)

※本稿は、新田龍氏のメルマガ「ブログには書けない、大企業のブラックな実態」から抜粋したコンテンツです。

【筆者プロフィール】

新田 龍:ブラック企業アナリスト 株式会社ヴィベアータ代表取締役
「ブラック企業ランキング」ワースト企業で事業企画、コンサルタント、新卒採用担当を歴任。日本で唯一の「ブラック企業の専門家」として、TVや各種メディアでのコメンテーター、講演、執筆実績多数。著書に『伝説の就活』・『逆転内定』シリーズ、『人生を無駄にしない会社の選び方』『ブラック企業を見抜く技術・抜け出す技術』『就活の鉄則!』など。ビジスパにて、メルマガ「ブログには書けない、大企業のブラックな実態」を配信中。

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