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経団連新会長“異例”人事の舞台裏と、新体制の課題~経団連の地盤沈下に拍車の懸念も

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 そのほかに、米倉氏が副会長の中で評価しているといわれていたのが三菱重工業の大宮英明会長だ。しかし、三菱重工幹部は「うちは(経団連会長を)やらない」と早くから明言していて、大宮氏本人も受ける気はない。三菱重工は三菱グループ御三家の1社だが、「軍需関連事業を手掛ける企業出身者でいいのか」と懸念する声があることを同社は気にしているためだ。

 昨年副会長に就任した新日鐵住金の友野宏社長も候補者として名前が挙がっていたが、同社OBの三村明夫相談役が昨年11月に日本商工会議所の会頭に就任したばかりであり、同一企業の出身者が経済3団体のトップに同時に就くことは好ましくないとする暗黙のルールがある。三菱商事の小島順彦会長も経団連会長就任に意欲を示していたが、米倉会長は「(次期会長は)メーカーの中から」と示唆していた。

●異例の人事が内定

 そんな中、冒頭のとおり1月9日、ついに経団連は米倉会長の後任に、東レの榊原会長を起用する人事を固めた。

 06~10年に経団連会長を務めた御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長は、会長退任に当たり後継に当時経団連副会長だった東芝の西田厚聰会長を考えていたが、日本商工会議所会頭の岡村正氏も東芝出身であったため、前出の暗黙のルールにより起用を断念した。そして御手洗氏は、次善の策として住友化学の米倉弘昌会長を選んだ。

 だが、この頃から経団連の影響力は急激に低下し始め、「財界総理」という言葉も過去のものとなった。

 1986~90年に経団連会長を務めた斎藤英四郎氏は、マージャン仲間を副会長に起用して“お友達”経団連と揶揄されたが、米倉会長も直言する副会長を毛嫌いして遠ざける傾向が強かった。そのため、副会長との意思疎通がうまくいっていないことが露呈する場面も多々あった。経団連と安倍首相との関係が悪化したのも米倉会長の不規則発言が原因で、副会長の一人が官邸に釈明に出向くこともあった。

 東レの企業規模は連結売り上げ1兆6000億円だが、御手洗会長時代は3兆7500億円(13年12月決算の見通し)のキヤノンでさえ経団連にスタッフを出すのに苦労した。

 榊原氏には、新体制をサポートするスタッフをどうするのか、来年に迫る副会長人事をどうするのかなど、課題は山積している。早くも財界内には、次善の候補者が会長に就任することで、経団連の影響力がますます低下するのではないかという懸念も広がっている。
(文=編集部)

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