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盛り上がる関西不動産投資事情~一強のブランド・京都、地元富裕層注目エリアのネック

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●地元関西富裕層が着目するのは大阪・福島、大阪・天王寺地域

 一方、関西の富裕層は異なる見方を示す。アベノミクス効果による景気回復途上にある今こそ、これから高騰するであろうエリアのマンション、アパート、土地を底値買いの好機とみる。

 とりわけ大阪では、“キタ”と呼ばれる大阪駅界隈のオフィス街・繁華街に程近い福島、閑静な住宅地として知られる帝塚山、文京地区として知られる上本町、兵庫では再開発が行われる神戸・三ノ宮駅周辺に、熱い視線が注がれている。

 だが、大きなうま味を求める富裕層の間では、これら地域はどこか物足りないというのが本音だ。投資対象として見た場合、その利幅は限られているからだ。では、景気回復途上にある今、どこが買いか。地元不動産業者は次のように言う。

「3月7日開業予定の超高層ビル、あべのハルカスの効果で、土地価格、賃料共に上昇している大阪・天王寺地区です。ここは、投資のみならず投機として購入するにも面白いところです」

●天王寺、上昇機運の足を引っ張る飛田新地とあいりん地区

 天王寺地区も近隣の上本町地区同様、再開発により地価および賃料が高騰したことで知られる。投資目的で今からこのエリアの物件を購入しても、まだ十分な利が得られるだろう。

 だが、この天王寺地区には、大きなネックがある。大阪最大の風俗街として知られる飛田新地と、路上生活者が多いあいりん地区の存在だ。この両地区は治安が良くないことで知られ、近辺のイメージを下げている。もし、この飛田新地とあいりん地区を行政主導で区画整理、再開発を行うことができれば、「周辺地域の地価は、とてつもなく高騰する」(地元不動産業者)ことになる。

「現実的には、飛田新地とあいりん地区、この2つを整理することは難しい。しかし、もしもこれが整理できたなら、これは投機としては面白い。天井知らずの高値がつくだろう。もっとも現状のままでも、景気回復により土地、賃料は高騰しているので、投資対象として悪くはない」(同)

 見方を変えれば、あべのハルカス効果も飛田新地とあいりん地区という、いわば関西のタブー視される地域が足を引っ張っているといえよう。これまで手付かずだった聖域にメスを入れることができれば、天王寺地区にバブルが訪れる可能性がある。
(文=秋山謙一郎/ジャーナリスト)

BusinessJournal編集部

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