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博報堂、ユニークな社内ベンチャー制度の狙い~“リッチな”制度で社員成長、経営刷新

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●「AD+VENTURE」の特徴

「まず、グループの社員からビジネスアイディアを募集します。そのビジネスアイディアは、2回の審査を通じてふるいにかけられます。審査を通過した社員は、事業化のための体制構築を行って会社化し、1年間のテストマーケティングを行いい、会社化した際に定めたKPI【編註:重要業績評価指標、目標の達成具合を測る指標】が達成できたかを審査し、達成できたと判断された場合は、事業が継続されていくこととなります。達成できなかった場合は、また博報堂グループの社員として戻ることになります。失敗しても戻れるようにすることで、社員のチャレンジするハードルを下げています」

「AD+VENTURE」の特徴を、赤木氏はこのように説明する。出戻りが可能であるならば、ベンチャー企業特有のモチベーションの高さが失われるのではないかと考えてしまうが、モチベーションを維持できる体制を整えているという。

「確かに、立ち上がったばかりのベンチャー企業の資金調達の苦しさを味わうことはなく、支援するメンバーも、ビジネスの最前線で成功している優秀な人材ばかりですので生ぬるいと言われるかもしれません。しかし会社側が、その社員を成長させられるリッチな環境を用意し、社員に成長を促すのも大切だと考えています。従って、現状の業務にとらわれずに、自由でイノベーティブなチャレンジができる環境を社員に与えて、モチベーションを維持させるようにしています」

●事業を支援する側にとっても学びとなる

「AD+VENTURE」の第1期に設立された4社のうちの1社で、つくり手と使い手をつなぐマーケットプレイス事業を手がけるiichi

 設立からまもなく4年を迎え、1期目に体制構築した会社は、KPI審査を通過。さらに事業継続すべきかどうかの議論が進められている。

「起業した側だけでなく支援する側としても、支援する姿勢や方法が適切であったかなどを評価し、改善していかなければならないと考えています。ただ単に『AD+VENTURE』を運営することだけを目的にしていては、せっかくのイノベーション推進室が、“社内ベンチャーメンテナンス室”になってしまいますから、この推進室自体を改革し続けなければなりません。運営を進めるうちに、我々が若手社員から学ぶことも数多くありました。この学びもイノベーションを進める原動力になると確信しております」

 赤木氏は、さらなる社内の活性化に努める意気込みを語った。

 ビジネスの第一線で活躍するイノベーション推進室のメンバーが、若手を支援すると同時に、イノベーティブな施策やビジネスを発見できるよう互いに学んでいこうという姿勢が博報堂に改革を起こす可能性を感じさせる。そんな「AD+VENTURE」からは今春も、審査を通過した同社社員によって新たな会社が数社設立される予定とのこと。博報堂の今後に期待したい。
(文=久我吉史)

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