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精子提供サービスの実態と、ヒトのクローンにおける安全面の課題、および技術的進歩

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●法律で禁止されている理由

 ところが、現在の日本においては、この「20~40年の年齢差のある、自分の双子の妹」を出産することはできません。

 法律がこれを禁止しているからです。「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」(以下、ヒトクローン規制法)といいます。

 この法律の目的は、「クローン動物をつくってもいいけど、クローン人間をつくることだけはダメ」ということのようです。法文からは、その理由までは読み取れなかったので調べてみたところ、文部科学省の解説資料に3つの理由が挙がっていました。

1.「人の尊厳の侵害」

(1)人間の唯一性の崩壊…例えば、 『私が2人以上いるって、どういうこと? すでに死んでいる私が、今生きているって、どういうこと?』

(2)人間の意図的生産(=人の道具化)…例えば、 『頭のいい従順な人間を量産化して国力を増強しよう。実験用人間を使って医学を発展させよう、という陰謀等』

2.「社会秩序の混乱」

 家族秩序の混乱…例えば、 『クローンである私は、誰の子ども? 私の戸籍上の位置付けは? 人権や国籍はあるの? 結婚や遺産相続の当事者になれるの?』

3.「安全性の問題」

 動物実験で死産・過大児等が多く、安全性が未確認(これについては後述します)

 この法律の立法趣旨を私なりに解釈しますと「今、クローン人間をつくると、色々面倒くさいことになるから、今はやめてくれ」ということになるのかと思います。

 実際に、この法律が規定していることは単純明快で、第三条に禁止事項が一行記載されているだけです。

(禁止行為)
第三条  何人も、人クローン胚、ヒト動物交雑胚、ヒト性融合胚又はヒト性集合胚を人又は動物の胎内に移植してはならない。

 この条文の解釈を、私なりに試みてみました。ここで「胚」とは、とりあえず「受精した卵(受精卵)」ととらえます。

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BusinessJournal編集部

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