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上場企業、今年「トップ人事の年」に~迷走・引責辞任組、自動車業界注目の人事も

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 自動車業界で去就が注目されるもうひとりの人物は、スズキの鈴木修会長兼社長だ。後継人事に影を落としているのが、独フォルクスワーゲン(VW)との関係。資本・業務提携の解消をスズキ側から言い出し、国際仲裁裁判所に仲裁を申し立ててから、すでに2年以上たつ。

 スズキは1月28日、インドに500億円投じて新工場を建設すると発表した。スズキにとってインドは日本と並ぶ最重要市場である。今回の投資は、スズキのインド子会社・マルチ・スズキではなく、スズキ本体が行う。最大のライバルである韓国・現代自動車がインドでシェアを拡大しているのに対抗し、生産に係わる投資負担はスズキが負い、マルチには販売に集中してもらってトップシェアを維持するのが狙いだ。

 スズキはVWとの提携を早く解消して、独自路線で世界展開を行いたいと考えており、この問題が解決したタイミングで、鈴木氏の長男である鈴木俊宏副社長へ社長交代し、鈴木氏は会長を続投するのではという観測が強まっている。

●創業家との複雑な関係組

 任天堂の岩田聡社長は1月17日の記者会見で、自身の進退について「(業績悪化の)責任を感じており、株主の皆様に申し訳なく思っている。今後、早期にビジネスの勢いを回復させるのが私の責務」と述べ、続投する意向を示した。しかし、14年3月期の営業利益に関して当初、岩田社長は「1000億円をコミットメント(必達目標)」としてきたのが、一転して350億円の赤字に転落するため、引責辞任すべきとの批判が強まっている。役員間の不協和音も目立ち、赤字転落で株価が急落しており、続投すれば株主からの批判は免れない。

 批判を覚悟で岩田社長が続投に前向きなのは、後継者がいないためとみられている。空前のヒットとなったゲーム『スーパーマリオ』の生みの親である宮本茂専務が有力だが、経営者として手腕は未知数。昨年9月にオーナーの山内溥・前社長が亡くなり、山内氏が保有していた任天堂株式を親族は任天堂に売却した。これにより山内家はもはやオーナーではないというのも、岩田社長が強気でいられるもう1つの理由とされている。

 ゼネコン業界では、鹿島の中村満義社長が6月で就任9年目を迎える。昨年4月に日本建設業連合会(日建連)会長に就任しており、社長を退き、会長に就く可能性がある。会長として財界や社外活動に力を入れるとの見方もある。後任は、ともに創業家出身の渥美直紀副社長と石川洋専務執行役員が濃厚。渥美氏は6代目社長・渥美健夫氏の長男、石川氏は7代目社長・石川六郎氏の長男である。創業家への大政奉還となる。

 大正製薬ホールディングスの上原明社長の在任期間は、持ち株会社になる前の大正製薬時代から数えて32年。後任は、事業会社の大正製薬社長を務める上原氏の長男・茂氏が確実視されている。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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