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堀江氏小説ゴースト問題、出版業界の慣習としてもルール違反のワケ~透ける出版不況の深さ

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●小説でゴーストライター利用はルール違反

 だが、今回のケースを「出版界の慣習」と片付けるには、少々無理があるのではないか。それは『拝金』『成金』が自伝やビジネス本でなく「小説」だからだ。

「ゴーストライターが常識となっている出版業界でも、小説の代作は基本的にタブーです。自伝やビジネス本は事実関係や情報がメインですが、小説は創作であり、文章表現そのものがメイン。ストーリーはもちろん、構成、セリフ、場面のディティール、情景描写、さらには言葉の選択、文章のテンポまでが評価の対象になる。それが些細なディティールであっても、他人に書かせたら、もうその人の小説とはいえません。例えば、人気小説家の村上春樹が登場人物のセリフを他人に書かせていたとしたら、それだけで大問題でしょう。ですから出版業界では、もし小説にゴーストライターを使っていたとしたら、当事者たちは絶対にそれを隠し通します。ゴーストライターの名を巻末に入れることもないでしょう」(文芸評論家)

 そういえば同じ堀江氏の著作でも、ビジネス本や自伝にはゴーストライターとおぼしき人物のクレジットがある場合が多いのに、『拝金』『成金』の2冊にはそのような記載はない。

 その辺りを考え合わせると、堀江氏の小説でのゴーストライター起用は佐村河内問題と同じような構造にあり、出版業界の慣習に照らしても明らかにルール違反といわざるを得ない。

 しかし一方、出版業界においては、堀江氏に限らず、このようにルール違反なはずの小説でのゴーストライター起用が増えているという事実があるようだ。

「小説の売れ行きの落ち込みをカバーしようと、各社とも有名人や芸能人・タレントに小説を出させる傾向が強くなっています。しかし、誰でも小説を書けるわけではありませんから、必然的にゴーストライターを起用するようになります。ビートたけしの小説にゴーストがいたというのは有名な話ですし、水嶋ヒロ(齋藤智裕)にも同様の噂はありました。とにかく今は、出版倫理は二の次です。売れるためには、ゴーストライターでもなんでも使わざるを得ない状況です」(出版関係者)

 今回の堀江氏ゴースト騒動は、出版業界が衰弱し、崖っぷちまで追い込まれていることをはからずも露呈させたといえるかもしれない。
(文=編集部)

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