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音楽市場、なぜ復調の兆し?盛り上がるネット定額サービスとライブ動員増が牽引

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●聞き放題が音楽への入り口になる

 音楽コンテンツの売り上げが伸びない主因と見られていた違法ダウンロードを厳罰化する法整備をしても、売り上げが回復しなかったというニュースが昨年秋にあった。ネット上などでは、「金を払ってまで聞きたい音楽はもうない」とあざ笑うようなコメントも多く見られた。

 違法ダウンロード自体は決して許されるべきものではないが、厳しく取り締まったからといって購入者が増えるかどうかは確かに疑問がある。テレビの音楽番組なども減っており、いくらでもほかに娯楽がある今、購入したいほどの楽曲に出会うチャンス自体がないという実情もある。

 そこで音楽の入り口となりそうなのが、定額サービスだ。定額だから、まったく知らない曲を聞いてみようと思った時に、すぐ気軽に手を出せる。ちょっとテレビや街で耳にした曲を聞いてみよう、と行動するのも簡単だ。

 違法ダウンロードをするには、ある程度のネットに関する知識が必要だが、「わざわざ苦労して違法ダウンロードの楽曲を見つけて聞くより、1000円足らずで1カ月聞き放題のほうが楽で快適だ」とユーザーに思わせられれば、一気に普及するだろう。

●売り物は曲から体験へ

 テレビの歌番組に出ても、たいした出演料は得られないが、そこで名前と顔と楽曲の雰囲気を視聴者に売り込み、コンテンツ販売やライブへの誘致で収益をあげるというスタイルは昔からの定番だった。

 しかし、音楽番組が数少なくなった今、音楽ファンが音楽と出会う入り口は前述したようにネットサービスになるだろう。そして収益をあげる場はライブ会場だ。

 コンサートプロモーターズ協会の統計によれば、音楽ライブ市場は公演数、動員数ともに伸びているという。もちろん、総売上額も伸びている。

 不特定多数を相手にするのではなく、ライブ会場まで足を運んでくれる熱心なファンをターゲットにビジネスを行うのが正解という状態のようだ。

 最近増えているのが、ライブ会場からのSNS投稿等を容認、または推奨する公演だ。宣伝効果を狙って写真撮影や動画撮影を一部解禁しているアイドルは以前からいたが、昨年末にはポール・マッカートニーが来日コンサートでスマホ等による撮影を認めたことで話題になった。

「ライブをネットで見られるようにしたら、客が来なくなる」と閉じた場をつくるのではなく、「現場に来たら、こんなに楽しいよ」と雰囲気を見せることで人を集める。楽曲自体を売るのではなく、その曲を通した体験を売るスタイルのビジネスが成長するのではないだろうか。
(文=エースラッシュ)

BusinessJournal編集部

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