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住宅ローン、「ボーナス払いは危険」のウソと35年返済の意外なリスク~具体的試算より

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 ボーナス併用払いのほうが、年間の返済額が多いので、残高が少なくなるのは当然ともいえるが、両者の差は48万3949円。将来、なんらかの理由で家を売却する場合、ローン残高が少ないほど、売却したお金から手元に残せるお金を増やせるのはいうまでもないだろう。年数が経過するほど、ローン残高の差は開いていく点も見逃せない。

●35年返済のリスク

 最後に、35年返済のリスクにも触れておきたい。

 ご相談者からは、たびたび「ボーナス併用払いは怖い」という言葉を耳にするが、個人的には35年返済のほうが怖いと感じている。

 その理由として、35年返済でスタートして返済に窮してしまったら、いきなり「救済措置」を利用することになるからだ。例えば30年返済でスタートしていれば、途中で返済に窮したとしても、自分の意向で35年まで返済期間を延ばすことは可能である。こちらは住宅ローンの条件変更になる。

 ところが、35年返済でスタートした場合、返済期間をさらに延ばしたいと思っても、借入先の金融機関が認めた場合のみ、延長できる。救済措置と条件変更では、利用する側の立場に雲泥の差があるのだ。自分の意向だけで返済期間を延長できない点はリスクだろう。

 住宅ローンの返済について「ボーナス併用払いは怖い」というイメージで捉えている方が少なくないが、イメージだけで決めるのは避けたほうがよい。具体的な返済シミュレーションを幾通りも行った上で、よりリスクが少ない方法を選択するべきだからである。
(文=畠中雅子/ファイナンシャルプランナー・「高齢期のお金を考える会」メンバー)

BusinessJournal編集部

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