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「【小説】巨大新聞社の仮面を剥ぐ 呆れた幹部たちの生態<第2部>」第69回

社長も編集長も不倫まみれの巨大新聞社、刷新なるか!?~いよいよ週刊誌暴露へ

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「吉須さん、その話も記事をみたらでいいでしょう。僕も退陣に追い込むのは難しいと思っていますが、万が一、退陣に追い込めたとして、大都、日亜両社のトップを誰にするのか、今日は、会長に聞きたいんです。これまで、会長は全く話していないでしょう」

 深井の問いに、太郎丸はわが意を得たりとばかりにまくしたてた。

「そうじゃ。その話をしとらんじゃった。大都はな、丹野(顕二・常務執行役員名古屋駐在)君にトップに就かせよるつもりじゃ。爺さんが全産連会長経験者で毛並みも抜群じゃし、れっきとしたジャーナリストじゃ。確か、吉須君と高校の同期で、親しいらしいな」
「会長、でも、彼は役員じゃないんですよ」

 吉須が疑問を呈すると、太郎丸は一蹴した。

「奴はな、この6月の総会で取締役に選任されよる。最後のご奉公ちゅうことでな。問題は日亜じゃぞ。村尾君の前の富島(鉄哉)君と同期の監査役の源田(真一)君に再登場させよるつもりじゃったが、計画が2カ月中断しよったんで、今度は無理かもしれん」
「どうするんですか」
「とりあえず、成り行きまかせじゃが、株主の力で秋に臨時総会を開かせ、源田君を役員にさせよることを考えちょる。まあ、長年部数トップの大都を刷新できよれば、三番手の日亜は二の次でええじゃないか、とも考えちょる」
(文=大塚将司/作家・経済評論家)

【ご参考:第1部のあらすじ】業界第1位の大都新聞社は、ネット化を推進したことがあだとなり、紙媒体の発行部数が激減し、部数トップの座から滑り落ちかねない状況に陥った。そこで同社社長の松野弥介は、日頃から何かと世話をしている業界第3位の日亜新聞社社長・村尾倫郎に合併を持ちかけ、基本合意した。二人は両社の取締役編集局長、北川常夫(大都)、小山成雄(日亜)に詳細を詰めさせ、発表する段取りを決めた。1年後には断トツの部数トップの巨大新聞社が誕生するのは間違いないところになったわけだが、唯一の気がかり材料は“業界のドン”、太郎丸嘉一が君臨する業界第2位の国民新聞社の反撃だった。合併を目論む大都、日亜両社はジャーナリズムとは無縁な、堕落しきった連中が経営も編集も牛耳っており、御多分に洩れず、松野、村尾、北川、小山の4人ともスキャンダルを抱え、脛に傷持つ身だった。その秘密に一抹の不安があった。

※本文はフィクションです。実在する人物名、社名とは一切関係ありません。

※次回は、来週4月4日(金)掲載予定です。

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