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西武HD再上場、なぜサーベラス誤算?公開価格引き下げで狂う出口戦略と、注目の次の一手

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 そこでサーベラスは、上場と同時に売り出すのではなく、上場後の株価上昇を待つことにしたのではないか、との見方が市場では大勢だ。サーベラスは10月19日までは主幹事証券の同意なしには株式の売却ができない契約を結んでおり、この契約の解除後、西武HDの保有株を段階的に売却して、最終的には西武HDから撤退する方針を変えていない。

 新規上場の銘柄は上場直後が高値で、その後、株価は下落していくのが常だ。サーベラスが投資(1200億円)の元本割れが生じないためには、株価1000円が最低ラインとなる。900円程度にまで株価が下落すれば含み損が出る。サーベラスの西武HD株の平均取得価格は1000円強とみられているが、金融機関からの資金調達コストや投資家が求めるリターンを勘案すると、2000円は譲れない線となる。

 サーベラスに資金を出している機関投資家は、年15%以上のリターンを期待しているため、彼らを満足させるためにも、サーベラスはなんとしても2000円以上で売りたいと考えている。

 サーベラスは06年に西武HDに資本参加した。当初は、友好関係にあったが再上場する際の売り出し価格をめぐって両社は対立した。証券会社が算出したIPO(新規公開株)価格は1株当たり1000~1500円。より大きなリターンを得たいサーベラスの想定は同2000~2500円で、隔たりは大きかった。

 その後、紆余曲折を経て再上場することで合意し、上場の際の想定価格はサーベラスが望んでいた2300円となり、ハイリターンを得ることができるはずだった。それゆえ、仮条件が1600~1800円に大幅に引き下げられたことは、サーベラスにとっては大きな誤算である。

●注目集める次の一手

 今後の関心は、西武HD上場後にサーベラスがどう動くかだ。焦点は、サーベラスが再上場時点で売り出す予定にしていた5302万株の行方。西武HD側が一番恐れているのは、同業他社にサーベラスが持ち株を持ち込み、相対取引で1株2300円に近い価格で売却することだ。JR東日本やJR東海は、西武HD株に興味を持っているといわれており、売り出し価格の仮条件が1600~1800円になったことで、両社もサーベラス側に売却価格の引き下げを求めるだろう。

 また、日本航空(JAL)や全日空(ANA)といったエアラインが西武HDの株式に興味を持っているという情報もある。

 サーベラスが15.5%分の株式を相対取引で同業他社に売却すれば、M&A(合併・買収)の期待から上場後の西武HDの株価が上昇するのは確実。そうなれば残りの株式を高値で売り抜けることができ、投資した資金を回収する可能性も高まる。

 サーベラスが効率の良い資金回収を目指すため、大がかりな手に打って出るのかという点に、市場関係者の注目は移った。
(文=編集部)

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