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住友ゴム・米社の提携解消交渉から透ける、タイヤ世界市場の構造変化と、高まる再編機運

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 住友ゴムの2013年12月期連結決算は、過去最高を更新し、4年連続の増収増益。海外向けの販売増や円安効果により、売上高は前期比9.9%増の7806億円、営業利益は同10.5%増の770億円。特にアジア向けの伸びが顕著で、海外売上高比率は51%と4ポイント増えた。

 グッドイヤーとの提携解消の決着がつくまで数年かかるとみられているため、14年12月期決算見通しには織り込んでいない。売上高は6.3%増の8300億円、営業利益は3.8%増の800億円と増収・増益を確保する見込みだ。

 グッドイヤーとの提携解消でどんな影響が出るのか。13年12月期の北米での売上高は892億円、欧州が663億円ある。欧米市場は停滞しており、かつてほどの重要性はなくなってきているとはいえ、影響は大きい。

●塗り替わるタイヤ市場の勢力図

 世界のタイヤ市場は、01年当時、ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーの3強のシェアが56.7%と過半数を超えていた。だが、3強はジリジリと後退。12年には3強のシェアは39.4%と11年間で17.3ポイントも減り、とうとう4割を割った。(「ブリヂストンデータ2013」より)

 3強の力関係も変化した。01年にはミシュラン(シェア19.6%)、ブリヂストン(18.9%)、グッドイヤー(18.2%)の3強のシェアは拮抗していたが、12年にはブリヂストン(15.3%)とミシュラン(14.0%)が首位を争うのに対し、グッドイヤー(10.1%)は後退した。

 先進国のタイヤメーカーがシェアを落とす中で、新興国のメーカーは廉価タイヤを中心に販売を拡大。韓国のハンコックタイヤ(3.3%)、台湾の正新ゴム工業(2.5%)、中国の杭州中策(2.4%)が新興国市場でシェアを伸ばした。大手の地位を脅かす存在になった新興国勢の台頭に、先進国のメーカーの危機感が高まっている。

●高まる再編機運

 そうした流れを受け、横浜ゴムは昨年12月、韓国のタイヤメーカー、クムホタイヤと技術提携協議で合意し、資本提携も視野に入れている。日韓のタイヤメーカーが提携するのは初めて。クムホタイヤは韓国では最大手のハンコックタイヤに次ぐ事業規模であり、韓国、中国、ベトナムの3カ国に8カ所の工場を持つ。横浜ゴムは国内ではブリヂストン、住友ゴムに次ぐ3位だが、世界シェアは3.0%にとどまり世界8位。国内市場の先細りをにらみ、世界12位のクムホ(1.9%)と組むことでシェアの拡大を狙う。

 また、国内4位、世界13位の東洋ゴム工業(1.5%)は08年、ブリヂストンと資本・業務提携しており、ブリヂストンが7.8%の筆頭株主だ。

 今後の焦点は、グッドイヤーと提携を解消する住友ゴムの動向である。国内2位とはいえ世界シェアは4.1%。3強の背中は遠い。背後から、韓国・中国メーカーをはじめとする新興国勢が激しく追い上げてきている。住友ゴムは、どこと新たに資本提携することになるのか。

 世界全体の自動車の新車販売が1億台を突破するのは、そう遠くない。新興国市場をにらんだタイヤ業界の再編の足音が聞こえてくる。
(文=編集部)

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