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和歌山初のイオンモール、地域密着&全世代配慮型店舗で地域商業圏変化の起爆剤になるか

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 開発のコンセプトは、「丘の上の最上級メゾン」。緑豊かな環境を取り入れ、くつろぎのある上質な時間を提供し、「食」や「趣味」も三世代共通で楽しめる商業施設を目指している。敷地面積は約15万5000平方メートル、イオン和歌山店と専門店、シネマコンプレックス「イオンシネマ和歌山」などで構成されている。建物は、地下1階地上4階建て。延べ床面積は約12万8000平方メートル。わずか数十キロ先にある「イオンモールりんくう泉南」(大阪府泉南市)は敷地面積13万9822平方メートル、延床面積15万6642平方メートル、商業施設面積7万7026平方メートル、駐車台数4300台となっている。敷地面積では和歌山がりんくうより少し広く、延床面積・店舗面積は2/3程度である。

 イオンモール和歌山は、核店舗の総合スーパー「イオン和歌山店」と専門店で構成される。専門店は約210店舗で、その6割以上が和歌山県初出店となる。和歌山店は服飾関連を強化したのに加えて、地元ならではのライフスタイルや客層に対応しているのが最も差別化できる点である。ちなみに、りんくうはスポーツや家電を強化することですみ分けを行い、共食いを避けようとしている。

●さまざまな試みが実践

 和歌山市は牛肉消費量が全国平均よりかなり多いため、イオンモール和歌山は、イオン直営では珍しい量り売りもする対面販売の牛肉売り場を設けた。和歌山の魚や果物を揃えたコーナーも目を引く。1階には、田辺市のプラスが経営する農産物直売所「産直市場よってって」がある。同店は田辺市稲成町など県内外に出店しており、これで14店舗目となる。直売所がショッピングモールに出店するのは全国で初めて。また、和歌山で人気の洋菓子店の商品が買える「スイーツワールド」も注目されている。衣料品売り場は、近くに和歌山大学があることから、若者向けが充実。映画館は、シーンと連動して動く座席を近畿で初めて導入した。

 これまでのイオンモールで見られなかった店舗としては、メルセデス・ベンツ日本と正規販売店契約を結ぶシュテルン和歌山が新たにオープンした「メルセデス・ベンツ和歌山 イオンモールプラザ」がある。ショッピングモール屋上に設置され、駐車場から直接アクセスできる「オートモール」に入居した。食材にこだわったカフェを併設し、ドリンクやオリジナルフードをきっかけに、気軽に立ち寄れるように配慮されている。

 昨年末にオープンしたイオンモール幕張新都心での成功体験を背景に、イオンモール第2号店としてイオンモール和歌山に出店する店舗もある。それは、「家族でメガネ選びが楽しめる空間の提供」をコンセプトにした「Zoff Marche(ゾフ・マルシェ)和歌山店」。インターメスティックが展開するファミリー業態の2号店で、関西初出店となる。同店では、約1500本のメガネを展示、店内の通路も十分な空間を設け、ベビーカーやカートを押しながらゆったりメガネを見ることができる。店内には同社初の子どもたちが遊べるプレイスペースを設置し、親がメガネを選んでいる間に子どもたちは自由に遊べる。

 このほかにも、子育て世代への配慮は各所で見られる。授乳室などがある「ベビールーム」を各階に設置し、1階と3階のルームには遊び場を備えた。子ども用トイレ「キッズトイレ」も5カ所に設けた。約1000席で和歌山県最大の規模を誇るフードコートでも「キッズレインボースペース」など子ども連れで利用しやすい席も用意している。
一方、高齢者対応としては、各所にベンチやソファを置くなど、休憩しながら買い物できるようにした。

 施設の充実に加えて、顧客の囲い込み、防災対策などにも配慮している。顧客の囲い込みでは、電子マネー「紀の国わかやまWAON」の発行も開始された。「紀の国わかやまWAON」は、イオンが全国で取り組む「ご当地WAON」の88枚目のカードで、利用金額の0.1%が地元団体等に寄付され、和歌山の地域振興などに使われる仕組み。防災対策では、イオンモール和歌山と和歌山市が、大規模災害時に被災者への避難場所や災害に関する情報などを提供する協定を締結した。

 以上みてきたように、さまざまな新しい取り組みが施されたイオンモール和歌山の開業が、和歌山大学のみならず地域商業圏が生まれ変わる起爆剤となるのか、地元だけでなく、日本の流通業界全体から注目されている。
(文=長田貴仁)

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