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国債超低金利の8月転換説、なぜ広がる?生保は金利急騰に備え売却体制、巨額評価損も

文=島野清志/評論家
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【新発10年国債の金利が今後上昇した場合の、価格下落率試算(理論値)】
 
 金利 国債価格  下落率
 0.6  1      0
 0.7  0.990374  -0.00963
 0.8  0.980853  -0.01915
 0.9  0.971433  -0.02857
 1.0  0.962115  -0.03789
 1.5  0.917    -0.083
 2.0  0.874244  -0.12576
 2.5  0.833711  -0.16629
 3.0  0.795275  -0.20472
 3.5  0.758818  -0.24118
 5.0  0.660244  -0.33976
 
 仮に今後10年物国債の金利が現在より0.3%高い0.9%に上昇すれば、価格は2.8%下落し、2.0%になれば12.5%下落することになる。直近の国内銀行の国債保有残高は135兆円であるから、わずか0.3%の金利上昇で約3.8兆円の評価損を抱えることになる。前期の国内5大銀行グループの本業の利益を示す業務純益は約3兆円であるから、金利の上昇、国債の価格下落は金融機関の経営を動揺させ、日本経済にも打撃を与えることはわかる。

 もちろん黒田東彦日銀総裁をはじめ当局は、不測の事態を回避するための手立ては持っているのだろう。しかし市場がともすれば想定以上に暴走しやすいことも確かである。
(文=島野清志/評論家)

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