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このように後を絶たないタレントによるマネージャーへの暴行事件であるが、6月19日発売の「週刊新潮」(新潮社/6月26日号)は、人気歌手・長渕剛の元マネージャーが、長渕から継続的に暴力を受けたとして今年3月に起こした訴訟について報じている。同誌によれば、元マネージャーは、長渕から靴のまま蹴りを入れたりする暴力行為を継続的に受けたため事務所に退職を申し入れたところ、長渕に監禁され「俺と勝負しろ」といわれた上で、首を絞めるなどの暴力を受けたという。
長渕の弁護士は「事実無根」としており、事の真相は今後の裁判において明らかにされることになるが、なぜタレントによるマネージャーへの暴行騒動が頻繁に起こるのであろうか。
「数多くのタレントを抱える芸能プロダクションでも、紳助氏や氷川、長渕のような一部の人気タレントに、収入の大部分を頼っているのが実情です。そのため、人気タレントが問題行為を犯したとしても、組織的に見て見ぬふりをしたり隠そうとしがちになってしまう。それがさらにタレントの問題行為をエスカレートさせ、徐々に常態化してしまうという構図です。最近では上場する規模の大きな芸能プロも出てきて、そうした風潮は改善されつつありますが、古い体質を引きずった小規模な芸能プロも多く、そのような芸能プロほど少数の活躍するタレントに依存しがちで、コンプライアンスが二の次になりやすいのではないでしょうか」(芸能プロ関係者)
また、芸能界と深い関係を持つマスコミ業界の“古い体質”が事態に拍車をかけていると、テレビ局関係者は指摘する。
「コンプライアンスや残業の削減、ワークライフバランス、女性登用などが叫ばれ、一般企業が積極的に取り組む中で、こうした労働環境の改善意識が最も低いのがテレビ局、ラジオ局や新聞社、出版社などのマスコミ業界です。特にテレビ局の下請けである制作会社の労働環境の劣悪さは有名ですが、タレントの活躍の場であるマスコミ業界の“古い体質”が、タレントの問題行為を許容する温床になっているのではないでしょうか」
芸能界やマスコミ業界の体質改善が進まない限り、タレントによる暴行事件は、今後もなくなることはなさそうだ。
(文=編集部)