–芸能人を潰さないよう、入手した情報をあえて明かさないこともあるのでしょうか?

井上 僕が公にするのは、蓄積されたデータのほんの一部です。明石家さんまさんが、数年前のコントライブで、お笑いタレントの山田花子さんが今の旦那さんとまだ交際中に、山田さんが頭金をすべて出してマンションを購入したという話をオープニングトークでした。そうすると、これはもう「結婚」しかないんですよ。実際にその3カ月後くらいに山田さんが結婚を発表したのですが、その時にさんまさんがラジオで「花子の結婚は井上公造さんが、全部どこかでバラすと思っていた。正式発表まで表に出なかったのは、正直ビックリした」みたいなことを話していたようですが、それは僕の中のルールなんですよ。僕がチケットを買って観に行き、さんまさんの舞台上でのトークを聞いて、その話を自分がするのはルール違反です。

●見た人が幸せになればいい

–先ほど、「芸能リポーターは芸能人の寄生虫」というお話がありましたが、芸能人の触られたくないところを追いかけることに、負い目を感じることはありますか?

井上 感じていた時期はありますが、今はまったく感じません。なぜなら、芸能人はプライバシーを語られたくないなら徹底すればいいけど、中途半端でしょ?結婚会見はするけど、離婚会見はしないとか。その一方で、沢田研二さんや高倉健さんは、プライバシーは明かさないと一貫しています。

 そういうふうに、出さないなら追わなければいいんです。ただ、ほとんどの芸能人は売れている時は触れてほしくなくて、売れなくなったらプライバシーを切り売りする。プライバシーを切り売りしながら生き残っていく部分もある。「あなたたち芸能リポーターは、人のプライバシーを伝えてなんの意味があるの?」と言う人もいます。でも、例えば芸能人に不幸なことが起きた時、視聴者や読者は「あんな美人でも結構、大変なのね」と同情したり、もしくはちょっと優越感を感じたり。または離婚会見における妻側の涙ながらのコメントに、自分の家庭を当てはめてみたり……。芸能ニュースって、一般の人たちにとって、自分の人生を投影するものでもあると思うのです。だから、僕はそんなに根こそぎ芸能人のプライバシーを暴いてやろうと思っていないし、いいことはいいと伝えようと思っています。

–最後に、今の芸能報道の在り方をどのように感じていらっしゃるか、井上さんの考えを教えてください。

井上 今の時代は今の時代なんだと思いますね。だから、それを悪いとは思っていないです。芸能って嘘はダメですが、エンターテインメントの「プロレス」はアリだと思っているし、そのことによって誰が傷つくわけでもないし、僕は記者会見なんてどれだけ笑いが起きるのかというのも重要だと思っています。それを見た人が幸せになれればそれでいいし、浮気報道があった男性タレントに、「あなた、浮気したでしょ?」って追及するのは嫌です。僕らは取調官や警官ではない。ただ、「あなた、下心はあったよね?」とは言いたいんですよ、「そこは認めようよ」と。浮気をしたという証拠を突きつけて、いったい誰が幸せになるのでしょうか。これが犯罪やっているなら違ってきますよ。僕が親しい芸能人によく言うのは「お願いだから、捕まるようなことだけはやらないで」ということです(苦笑)。そうすると、追及するしかなくなりますから。

–ありがとうございました。
(構成=編集部)

●井上公造(いのうえ・こうぞう)
 1956年、福岡市生まれ。西南学院大学卒業。会社員、フリーライター、新聞記者を経て、1986年に芸能リポーターに転身。現在は、「株式会社KOZOクリエイターズ」を運営し、芸能ジャーナリズムで幅広く活躍する。日本テレビ「スッキリ!!」、読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」、朝日放送「おはよう朝日です」などにレギュラー出演中。

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