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大手携帯各社が新料金プラン発表、なぜ評価二分&共通の特徴?注目高まる格安スマホ

文=佐野正弘/ITライター
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 新しい料金プランを歓迎しているのは、主に音声通話を頻繁に利用しているユーザーだ。特にフィーチャーフォンからスマートフォンに移行する上では、音声通話の料金が高額になりやすい傾向が強かったことから、そうしたユーザーを取り込むために、新料金プランでは定額で話し放題というわかりやすい価値を提供した意味合いも強い。

 一方で、新料金プランに不満を持っているのは、音声通話をあまりせず、データ通信を頻繁に利用する、スマートフォンを積極的に利活用するユーザーだ。そうしたユーザーにとって2700円という基本料金プランは、従来の基本料の倍以上となる値上げ要因にしかならない。また新料金プランを従来の料金プランと比較すると、大容量通信をした場合値段が高くなる傾向が強いことも、不満をもたらす大きな要因となっているようだ。

 では各キャリアはなぜ、新料金プランをこのような仕組みにしたのだろうか。

 1つは、音声通話の売り上げ減を止め、一定の料金水準にとどめることだ。メールやLINE、SNSなどインターネットを活用したコミュニケーションの広がりによって、音声通話のニーズは減少傾向にあることは確かで、この下落傾向は今後も続くと考えられる。それゆえ通話定額を実現する代わりに基本料を上げることで、音声通話料金のこれ以上の落ち込みを抑えたい狙いがあるといえよう。

 そしてもう1つは、データ通信による売り上げの拡大だ。パケット定額制サービスは「パケット定額制」とうたうだけあって、かつて青天井となっていたデータ通信の料金を定額にしてインターネットサービスなどの利用をしやすくし、データ通信のニーズを高める狙いがあった。従来のパケット定額制サービスが7GBと比較的大容量に設定されていたのも、それ以上通信するユーザーはごく少数であり、多くの人にとって定額を維持できる容量であったからといえる。

 だが新料金プランでは、データ通信の容量を自分で選べる一方、オーバーした場合は500MB~1GB単位と、従来(2GB)より少ない単位で容量を追加できる仕組みとなっている。しかも追加料金は550~1000円と比較的安価設定されていることから、「オーバーしても追加ができるから安心」といった印象も与えている。

 このことは、データ通信の料金を、実質的に定額制から従量制にシフトしたと見ることができるだろう。増大するスマートフォンのトラフィックに対処するため、基地局の増強や新技術の導入などが必要なこともあり、データ通信を多く利用するユーザーに応分の負担を要求する方針に転換したといえそうだ。

●不満を抱くユーザーの受け皿は格安スマホに?

 こうしたことから新料金プランは、特にスマートフォンでデータ通信を積極利用するユーザーに対し値上げとなる要因が増え、不利になったといえるだろう。また新料金プランのパケット定額サービスで、データ通信量上限が2~3GB程度と少ないプランを選択した場合、割引施策などで不利となるケースが多い。それゆえ「音声通話もデータ通信も少ない」という人にとっても、劇的に安くなる要素は少ないのだ。

 では、新料金プランに不満を持つユーザーの受け皿になるところはないのかというと、実は存在する。それは「格安スマホ」「格安SIM」などの名称で注目が高まっている、仮想移動体通信事業者(MVNO)だ。最近はMVNOでも、データ通信だけでなく「090」「080」などの番号を用いた音声通話を提供するサービスが増えており、スマートフォンでの利用も高まっている。そしてMVNOのサービスを見ると、キャリアの新料金プランに不満を抱くユーザーをうまく取り込むサービスを提供していることが多いのだ。

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