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日向咲嗣『「無知税」回避術 可処分所得が倍増するお金の常識と盲点』(7月30日)

簡単に家賃を下げる人が続出?家賃崩壊の実態と背景 1万円台、あふれる空室、大家受難…

文=日向咲嗣/フリーライター

 検索結果リストをみてみると、敷金礼金なしも十分に選択可能。少なくとも、競争の激しいワンルームの世界では、礼金は絶滅寸前の状態にあることが一目瞭然である。

賃貸住宅の空室率は約2割

 では、いったい、なぜそんな事態が起きているのか。

 家賃崩壊の原因は、需要を上回る供給が続けられていることにある。バブル崩壊以降、「土地有効活用」と称した、専門の建築会社によるサブリース(一括借り上げ)方式で賃貸経営を始める地主たちが激増。地価は下がっても、世帯数増加に伴って賃貸需要は堅調に伸び続けていたため、その需要を満たす賃貸アパート・マンションが毎年数十万戸ずつ新たに建築されて供給され続けた。

 ところが、09年から日本の人口は突然減少に転じた。ここ数年は、毎年20数万人ずつ減少している。また08年のリーマンショック後、勤労世帯の所得が低下して、家計に占める家賃の負担が年々重くのしかかるようになった。にもかかわらず「サラリーマン大家で大儲け」などという情報に踊らされて、いまだに賃貸経営に乗り出す人が後を絶たない。

 需要が急激に縮小する一方で供給が増え続ければ、当然「在庫」が膨れ上がる。賃貸住宅の空室率は、14年現在で19%(不動産情報サイト「HOME’S」調べ)も。借り手がいなければ1円の収益も上げられない。手っ取り早く空室を埋めるには、家賃を下げるしかない。いくら景気が回復しても、“売れ残り”が倉庫にあふれている状況では、いきおい価格は下がらざるを得ない。そんな事態がいま着実に進行しているのである。

 家賃崩壊は、まだ始まったばかりだ。野村総合研究所の試算によれば、もし今と同じ水準で賃貸物件の新規供給が続いた場合、40年には空室率が40%にも達するという。そうなったら、家賃は文字通り「大崩壊」の一途をたどるに違いない。
(文=日向咲嗣/フリーライター)

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