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業界の圧力、国交省との闘い…なぜ“日本一小さな整備工場”が車検業界を変えたのか

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 短時間低価格のマイカー車検を考えた松川氏だったが、当初業界のほとんどがこのアイデアに反発した。反対派の中には意思を共にしてきた仲間も多くいたが、話し合いは平行線をたどるばかり。「あんたとは一緒にやれん」と決別を宣言され、結果的には車検整備業の国内最大級のネットワークを持つロータスクラブからも脱退を余儀なくされた。1万9800円という松川氏が考えた車検費用は、彼らにとっては脅威だったのだ。

 また、陸運支局(国土交通省)からの監査も入った。急に安い費用で車検が受けられるのだから、ほとんどの人が「違法なんじゃないか」「手抜きの検査をするのでは」との懸念があったからだった。しかし、粘り強く説明を繰り返し、無事に監査を通したことで不安を払しょくし、松川氏に対する風向きは徐々に変わっていった。

 こうして生まれた「ホリデー車検」は20年経った現在、全国270店舗でチェーン展開を行っている。当時敵対した多くの人々からの賛同も得、いまや立合い型短時間車検は業界の常識となった。

 どんな業界にも少なからず悪弊があり、それが業界内のバランスを保つために機能していることもある。しかし、そうした状況を打破し、本当に顧客のメリットになるために動くことができた人間こそが、次の時代を担っていく存在になるのではないだろうか。

 本書は熱い思いを胸に、業界変革に人生を捧げた松川氏だからこそ書ける内容が目白押しであり、その不屈の精神は多くのビジネスパーソンに勇気を与えてくれるだろう。
(新刊JP編集部)

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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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