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最年少市長贈収賄事件の怪 危うい水ビジネスの罠、警察のスケープゴートか

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 中林被告はこれを「太陽光と雨が降る限り、災害時に最大限活用できる」「イニシャルコスト、ランニングコスト『実質0』という利用も可能」などとうたって自治体に売り込んでいた。工事費は600万円ほどかかるが、美濃加茂市では「実験として無料で設置する」として、藤井市長の母校である市内の中学校に据え付けることを決めさせた。

 目的は立派に見える。ただ、中林被告について「最初からうさんくさかった」と明かすは、このプラントを一緒に開発していた京都府内の浄水設備製作会社の関係者だ。

 同社はゼオライト系の独自の鉱物で、ヒ素やフッ素まで除去するという濾過器を開発、30年ほども前から全国の自治体や病院などに納入する実績を持っていた。そして3年前の11年、東日本大震災が起こると、「福島で水中の放射能を除去する試験もしていた」。こうした話を聞きつけた中林被告が、同社の濾過器を使いたいと依頼してきたという。

「初めは『名古屋でやる』と言っていたが、だめになったらしく美濃加茂になった。中林は『いずれ正式に採用され、金が入る』と約束していた」

 しかし、今年2月に突然、愛知県警が同社に家宅捜索に入る。中林被告が銀行から融資金1000万円をだまし取ったとして逮捕された詐欺事件で、同社も共犯と疑われた。ところがのちに、中林被告が同社の印鑑を偽造したり、勝手に名前や実績を使ったりして設備を売り込んでいたことがわかった。「うちは被害者。今も大変な迷惑をこうむっている」と社長は憤る。

●名古屋の国会議員にも働き掛けたと吹聴

 水源の資料によれば、中林被告は京都産業大学経営学部卒業後、野村證券に入社。名古屋支店営業部などで勤務後、退社して販売促進コンサルタントに。09年に水源を設立、「日本が世界に誇れる資源である『水』を取り扱う企業」とうたっていたが、登記上は「経営コンサルタント」から「飲食店の経営」「ホームページ制作」までを事業目的にしていた。異業種交流会などを頻繁に開いていたという。

 名古屋市内の浄水設備会社は「事件があるまで、まったく聞いたこともない会社だった。われわれは狭い業界な上に、少子化などでプールのある学校も減り、はっきり言ってじり貧。災害時用の浄水設備も扱っているが、年に1つ売れればいいほう。そんなところで新しいビジネスを仕掛けるなんて、そもそも無理がある」と首をひねる。

 そして、中林被告に振り回された京都の業者は次のように話す。

「中林は『名古屋の国会議員にも働き掛けている』と言っていた。全国の小中学校で採用してもらうためだと。どこまで本当かわからないが、美濃加茂市長はそうした証言に飛びついた警察のスケープゴートになったのではないか」

 果たして藤井被告は賄賂を受け取っていたのか、はたまた無罪なのか、今後の裁判の動向に注視したい。
(文=関口威人/ジャーナリスト)

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