●高いクオリティを求める世相が専門店ブームの要因

 なぜ、ここ数年で、こんなにも専門店が増えているのだろうか?

 その理由として、「プチ贅沢ブーム」からも見て取れるように、消費者の目と舌が肥えてきている点が挙げられるだろう。安ければ売れる時代もあったが、消費者も「安いのには何か理由がある」と気付き始め、少し値が張るとしても、ある程度のクオリティを求めるようになったのではないか。つまり、昨今は「安かろう悪かろう」では売れないのだ。メニューを幅広く揃えた従来型の飲食店のサイドメニューでは「それなりの味」しか期待できないが、「専門店ならば高いクオリティの品がある」という期待から、需要が高まっているのだ。

 経営者側の視点に立つと、商品を一種に絞ることで、材料費を抑えることができるのもメリットのひとつだろう。専門店であるがゆえに、来店する客は皆同じものを注文する。つまり、食材の消費量の目安を立てやすく、廃棄量を抑えることができるのだ。また、メニューが限られているので、キッチンスタッフの負担が減ることもメリットに数えられそうだ。

 ニッチな専門店は、経営者側としては材料費や人件費を抑えられ、消費者側としては満足のできる質の高い品を食べることができるということだろう。今後もしばらくは、さまざまな専門飲食店が増えていきそうだ。
(文=千葉雄樹/A4studio)

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