もちろん海外でも納入期限はあります。ただアメリカでは2分の1などもっと長く、日本の3分の1という基準は世界的に見ても短すぎます。そこで業界も、これが食品をムダに廃棄するひとつの原因となっていることに気づき、見直し始めました。

–その効果は期待できますか?

安井 業界では「2分の1ルール」を試行するなど、廃棄食品削減への取り組みが始まっています。しかし各施策がどういう効果があるのか、どのくらい食べ残しを削減するのか、そのデータがないために全体像は見えていません。そこで私は5月19日の参院決算委員会で、この件について石原伸晃環境大臣に質問しました。施策の寄与度がわかると重点的に取り組むべき箇所がわかりますし、定量的分析を行えば国民にとって何がムダになっているかがわかりやすくなります。石原大臣は「二酸化炭素の削減にもかかわる問題だ」と理解を示してくれましたが、まだデータができていないようです。

–大量の食品廃棄がある一方で、安価な原材料を求めて食品の輸入が増加しています。最近では中国の期限切れ鶏肉問題が大きく注目されました。

安井 まだ食べられるにもかかわらず食品を廃棄するということと、廃棄すべき食品を輸入してしまったということは、一見して正反対に見えますが、実は同根の問題なのです。どちらも食べ物に対する崇拝や感謝するなどという気持ちがありません。

 私が食の問題に関わったきっかけは、2000年の雪印乳業集団食中毒事件です。2人の息子の子育ての真っ最中ということもあって、食に対する信頼が崩れたことは大きなショックでしたね。食とは単なるビジネスではありません。健康に直結する問題なのです。私はかねがね「We are what we eat」と言っています。すなわち、私たちは食べたものから成り立っているという意味です。私たちが将来、大きなツケを払わなくてもいいように、いましっかりと食の問題を見つめたいですね。
(構成=安積明子/ジャーナリスト)

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