ブートキャンプとは新兵訓練施設を意味する英語の表現。転じて新兵に対して行われる教育・訓練プログラム(新兵訓練)を指すようになった。ゼンショーが導入したのが、米海兵隊の組織理論「FFS(Five Factors&Stress)」である。海兵隊の新兵訓練は若者のプライドを粉々にし、人格を戦争向きに変えることを主眼とする。入隊した若者たちは48時間眠ることが許されず、教官は常に彼らの耳もとで罵声を浴びせ続ける。教官の命令には絶対服従で、「イエス・サー」もしくは「ノー・サー」以外の返事は許されない。

 米海兵隊の新兵訓練のメソッドを取り入れたゼンショーでは、憲章の行動規範、価値観を徹底的に植え付ける。これはズバリ、社員やクルーのロボット化である。軍隊では命令に従って敵兵や民間人を殺害したとしても、兵士個人の責任は問われない。同様にゼンショーでは、規則やルールに従っている限り、社員やクルーは一切の責任から解放される。規定の時間内に決められた動作ができさえすれば、人格は評価と無関係だ。上司との人間関係に悩むこともない。

 そしてゼンショーは、新卒、既卒、国籍問わず、ゼンショーの行動規定、行動規範に基づいて行動する人物であれば誰でも採用するので、結果として多様な人材が働く組織となった。

 ゼンショーは超管理体制で「ムリ、ムダ、ムラ」を排除し、生産性を極限まで高めていったのである。
(文=編集部)

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