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競馬人気、なぜ回復?コラボ企画や施設充実で、若者・女性・休眠客を獲得 JRAの戦略

文=栗田シメイ/Sportswriters Cafe
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●施設の充実で競馬場がアミューズメントパーク化

 競馬場に足を運んだことがない人は、施設の充実具合と女性客の多さにきっと驚くだろう。

 チャイルドコーナー、車椅子観戦シート、シニアシートといった観戦用席の充実はもちろんのこと、マッサージチェアスペース、リフレッシュルーム、救護所まで完備されている。特に東京競馬場(東京・府中市)に関しては、「神田川」「ホテルオークラ」などの人気レストランがテナントとして入居しており、競馬場の内装はホテルさながらで、清掃も隅々まで行き届いている。

 競馬場は汚く、大声で野次を飛ばす男性客ばかりという光景は、時代とともに確実に変化しつつある。

 京都競馬場で派遣社員として働く女性スタッフは、実際に女性客が増えていると感じると言う。

「ディープインパクト(06年に引退)の活躍以来、競場に興味を持つ女性の数が増えたと感じています。大学生くらいの若者がデートで競馬場に来る、という光景をよく見かけます。パドック(出走前に競走馬がファンの前に姿を現す運動場)では、迫力のある馬を間近で見て盛り上がれますし、動物園感覚でポニー(小柄の馬)と触れ合うこともできます。馬券も100円から買えるので、手軽にレースのドキドキ感も味わえます。時々、女性同士で競馬場に来る姿も見かけます」

 また、阪神競馬場で働く女性スタッフは、イケメンジョッキー目当ての“ウマ女”が急増していると語る。

「スタッフの中には、騎手と仲良くなるために競馬場で働き始めた、という女性も多くいます。浜中俊、福永祐一、藤岡康太といった関西所属の騎手は、気軽に写真撮影に応じてくれますし、私たちスタッフに対しても非常に優しいです。東京競馬場、中山競馬場(千葉・船橋市)では、石橋脩や後藤浩輝などの人気騎手の追っかけをする女性もいるという話も耳にします」

●日本競馬のグローバル化

 世界的に見れば、日本の競走馬の評価は年々高まっている。11年にヴィクトワールピサが世界最高の賞金額を誇るドバイワールドカップを制覇し、世界で最も権威あるフランスのレース凱旋門賞では、オルフェーヴルが12年、13年に2年連続2着と好走した。

 そのほかにも、ロードカナロア、ルーラーシップ、ハナズゴール、ジェンティルドンナ、ジャスタウェイといった国際G1優勝馬が、ここ3年間に続々誕生している。特にジャスタウェイは、8月時点の「ロンジンワールドベストレースホースランキング」で堂々世界1位に選出されており、ゴールドシップ、ハープスターといった国内の調教馬も高い評価を受けている。

 今年度開催の凱旋門賞には、ジャスタウェイ、ゴールドシップ、ハープスターの出走が予定されており、日本競馬の悲願である、世界の頂は手の届くところまで近づいてきている。どんな世界でも、スーパースターの存在は大衆を惹きつける。今年は、世界の歴史に名を刻むスターホースが誕生し、競馬人気復活に一役買いそうな予感がしている。
(文=栗田シメイ/Sportswriters Cafe)

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