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うんち、おねえさん爆発…過剰すぎる動画を連発する科学未来館の“崇高な”目的とは?

文=萩原雄太
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『整腸ラップ — SAY! Cho-oh Rap』(無料動画共有サイト「YouTube」より)
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 ノリノリの腸内細菌たちが「SAY! Cho-oh」「Un! Chi-e」と奇妙なラップを叫びながら生み出しているのは……そう、うんち。こんなアニメーションをつくっているのが、東京・お台場にある科学館・日本科学未来館だ。『整腸ラップ — SAY! Cho-oh Rap』と題されたこの動画では、腸がうごめき、胃が躍動し、腸内細菌たちが活躍しながらうんちをつくり出す様子が描かれている。

「現在開催している企画展『トイレ? 行っトイレ!~ボクらのうんちと地球のみらい』のコンテンツのひとつとして、この動画をつくりました。いいうんちをつくるためには、善玉菌や悪玉菌、日和見菌がバランスよくいる腸内環境が大切。まるで、うまく調和しないと一つのメロディにならないハーモニーのようだと考えて、この“うんちラップ”を企画したのです」(日本科学未来館展示企画開発課・坂巻たみ氏)

 この発想を受けて、無料動画サイト「YouTube」上で100万回以上のアクセスを記録している動画『就活狂想曲』を手がけたアニメクリエイターの吉田まほ氏(NHKアート)がつくり上げた『整腸ラップ』。パネルの文字や写真だけではなかなか説明が難しい腸内環境の解説も、アニメとラップに乗せてしまえば子どもたちも口ずさめるコンテンツに変化してしまった。あまりのクオリティの高さに、未来館内の展示会場では、当初小さなモニターで放映する予定が、縦2m、横3mあまりの巨大プロジェクションとして映し出されることになったのだ。

「ただし、お腹の中はまだわかっていないことも多いため、表現には苦労しました。菌の名前ではなく善玉菌、悪玉菌という役割を前面に押し出すことで、科学的に間違いのない内容にしています」(坂巻氏)

 そして、この動画をつくるきっかけとなった『トイレ展』も、すでに来館者10万人を突破。多くのテレビ局からトイレ展のCMは「食事の時間には放送にくい」と言われPRに苦戦したが、APF通信社や米CNNなどのテレビ局が取り上げると、国内テレビキー局も追従するように放送を始めた。そして、テレビを見た子どもたちがこぞって訪れるこの夏の人気スポットになっていったのだ。

「トイレは地球の環境にとって、とても大切な問題を含んでいます。しかし、どうしても口にしにくい雰囲気があります。例えばトイレについての問題啓発も、テレビCMで放送することは困難です。みんながもっとトイレの問題をオープンに話せる環境になれば、衛生問題や水の問題など解決できることはたくさんあるはずなのです」(同)

 もともと、うんちやおしっこなどの下ネタが大好きな子どもたち。展示会場や無料動画共有サイト「YouTube」で『整腸ラップ』を見た子どもたちは、「うんちー」と口に出さずにはいられない。この動画が「うんち」や「トイレ」を身近にすることで、世界が直面している問題を解決する糸口が見つかるかもしれないのだ。

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