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国産セダン、人気復活?カギ握るスカイライン、BMWとの比較から復権を占う

文=萩原文博/フリーライター
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国産セダン、人気復活?カギ握るスカイライン、BMWとの比較から復権を占うの画像1V37型スカイライン
 20年前の1990年代半ばまではセダンといえばファミリーカー、そして高級車の代名詞だった。しかし、ミニバンの台頭によりファミリーカーだけでなく、高級車の地位までも奪われていった。

 とはいえ、セダンの凋落は国産車に限った話であり、メルセデス・ベンツ、BMWといったドイツプレミアムブランドのセダンは国産車のセダンユーザーを取り込み、順調にセールスを伸ばしている。

 国産セダンになく外国車のセダンが持つ魅力は、高い走行性能という要素。一見すると実用性の高い普通のクルマだが、実際に運転してみるとドライバーの意のままに操れるという高い運動性能が国産セダンユーザーのハートをガッチリつかんだのだろう。

 しかし最近になって国産セダンの人気が回復しつつある。その一翼を担っているのが日産自動車のスカイラインだ。かつて「羊の皮を被った狼」というキャッチフレーズが付いたスカイラインは、輸入車に対抗できる高い走行性能を持つ国産セダンだ。

 57年の初代スカイラインから98年に登場した10代目のR34型までは国内専用車だったが、2001年発売のV35型スカイラインはメルセデス・ベンツやBMWの真のライバルとなるべく、世界で販売されるグローバルモデルだった。

 日本で高い評価を得たスカイラインの高い走行性能は、ドイツのプレミアムブランドに匹敵し、世界中を席巻。「日本のスカイライン」から「世界が認めたプレミアムセダン」へと進化した瞬間だ。

BMWと新型スカイラインの比較

 そして今年、プレミアムブランドのバッジをまとって13代目となるV37型スカイラインが登場した。高い走行性能を支えるパワーユニットはハイパワーと低燃費を両立した3.5L+電気モーターのハイブリッド(スカイライン350GT)、そして2.0Lダウンサイジングターボ(スカイライン200GT-t)の2種類を用意。まるで同じパワーユニットを設定するBMWがライバルであると宣言しているようにも感じられる。そこで、スカイラインとBMWを乗り比べて実力を確かめてみた。

国産セダン、人気復活?カギ握るスカイライン、BMWとの比較から復権を占うの画像2スカイライン200GT-t(左)とBMW320i(右)
国産セダン、人気復活?カギ握るスカイライン、BMWとの比較から復権を占うの画像3スカイライン200GT-tとBMW320iの性能比較

 まずは2.0Lターボを搭載したスカイライン200GT-tとBMW320iを比較する。スポーツセダンといえばBMWを思い浮かべる人が多いと思うが、BMW320iは操舵感のある重めのステアリングはスポーティな味付けだが、乗り味はソフトで全体的には良くできたセダンという印象が強い。一方のスカイライン200GT-tは、アクセルを踏めば踏むほど回るエンジンフィールはまさにスポーツカー。硬めのセッティングのサスペンションによるクイックな回頭性はBMWをしのぐスポーティさを味わえる。

国産セダン、人気復活?カギ握るスカイライン、BMWとの比較から復権を占うの画像4アクティブハイブリッド3(左)とスカイライン350GT(右)
国産セダン、人気復活?カギ握るスカイライン、BMWとの比較から復権を占うの画像5アクティブ3とスカイライン350GTの性能比較

 さらにハイブリッド車で比べると、また違う面が見られた。BMWのハイブリッドカーであるアクティブハイブリッド3は、ダイレクト感のあるステアリングフィールと圧倒的なパワーで、これぞBMWというスポーティな走りが楽しめる。スカイライン350GTは、3.5L V6+モーターによるハイブリッドが生み出す走りはスムーズさが目立つ。ドライブモードセレクターによってクルマの味付けは自分好みに変えられるが、こちらの走りはスポーティさとラグジュアリー感が、ほど良いバランスといえる。

 さらにV37型スカイラインの魅力は高い走行性能だけではない。事故を回避するエマージェンシーブレーキをはじめ、2台前の車両の車間や速度をモニタリングするPFCW(前方衝突予測警報)などの安全装備を、タイプPとタイプSPに標準装備しライバルたちを一歩リードする。

 世界が認めた高い走行性能と安全装備を備えた新型スカイラインが、日本に新たなセダンブームを巻き起こすか。今後の動向から目が離せない。
(文=萩原文博/フリーライター)

萩原文博/モータージャーナリスト

萩原文博/モータージャーナリスト

モータージャーナリスト。1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューを果たし、大学在学中に中古車雑誌編集部のアルバイトに加入し、中古車業界デビュー。1995年より編集部員として本格的に携わり、2006年からフリーで活動。中古車の流通、販売の造詣が深く、新車でも多くの広報車両に乗車するなど精力的に取材を行っている。

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