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ネスレ、業界団体脱退から透ける危機感 コーヒー業界、なぜ岐路に?飲用機会多様化進む

文=編集部
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 インスタントコーヒーそのものにも変化が起きている。スーパーやコンビニの棚はインスタントコーヒーの瓶に代わってスティックコーヒーが占拠するようになった。スティックコーヒーとはインスタントコーヒーに砂糖や粉末のミルクを加えて、1杯分ずつ小分けし、スティック状に包装された商品。カップに入れてお湯を注ぐだけでカフェオレやカプチーノが楽しめる。スティックコーヒーのシェアトップは味の素ゼネラルフーヅの「ブレンディスティック」。ネスレの瓶入りネスカフェをしのぐ勢いで伸びている。

●進む「レギュラー志向」

 インスタントコーヒーで家庭を制圧したネスレが次に打った手が、家庭でも本格コーヒーを味わえるようにすることだ。カプチーノやカフェラテ、エスプレッソといった専門店顔負けのコーヒーを、ボタンを押すだけで1杯ずつ抽出してくれるコーヒー専用マシンを投入した。同社の世界初の家庭用コーヒー専用マシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」は09年4月に日本で発売以来、販売台数は年々増加し、14年5月には累計で200万台を突破した。10月からはレギュラーソリュブル専用マシンの価格を9000円から5980円に値下げする予定であり、オフィス向けのマシンの無償貸し出しでは、運輸業界や高齢者施設などへの設置も始めた。

 かつてインスタントコーヒーは家庭、レギュラーコーヒーは喫茶店とすみ分けがあったが、今はファーストフード店やコンビニでは100円でレギュラーコーヒーが飲める。コーヒーの飲用機会は多様化した。いれたてレギュラーコーヒーを手軽に買えるようになり、今後インスタントコーヒー市場はますます縮小するという危機感は強い。

 ネスレがレギュラーソリュブルコーヒーに呼び名を変えたのは、インスタントコーヒーという名称はすでに時代遅れで、消費者に訴える力を失ったと判断したためであり、「レギュラー」という呼称にこだわるのは「おいしい」という印象を消費者に与えるためだとみられている。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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