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“教育業界のニコ動”スクー、なぜ注目&急成長?「双方向性」取り入れ、堅実なマーケ戦略

文=新井庸志/株式会社ホワイトナイト代表、マーケティングコンサルタント
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【成長の理由2:「インターネットでも」ではなく「インターネットだから」できることの追求】

 通信教育やオンライン教育に興味はあるものの、なかなか続けることができないという人は少なくない。その大きな原因は「勉強の継続の難しさ」にあると筆者は感じている。

 話は少し遡るが、これまで成功してきた通信教育モデルはベネッセコーポレーションの「進研ゼミ赤ペン先生」のように、インタラクティブの要素が組み込まれているような少数のサービスだけだった。インタラクティブの要素が少なければ少ないほど、いつの間にか勉強しなくなっているという状況を招くのだ。

 ネットが普及し、動画での教育コンテンツが充実してきた。しかし、企業や大学や個人がさまざまな知識やノウハウを動画で提供するようになっても、映像における教育が本格的に普及しているとはいえない。普及を妨げているのは、インタラクティブな要素が不足している点だ。大学の授業の録画や中継を放映しても、それは授業に参加するというよりも、テレビを見ている感覚に近い。質問することも、指されることも、授業への出席人数や出席率が気になることもない。ネットの持ち味であるインタラクティブ性がそこにはない。

 そのような中でスクーが注目される理由は、ネットが持つインタラクティブ性を最大限に引き出しているからだ。スクーは「教育界のニコニコ動画」ともいわれることもあるように、授業を受けながら、意見や先生への質問をチャットで発信することができる。スクーの受講者は、単に動画を見ているだけであれば感じることのない“仲間感”を感じながら授業を受けることができるのだ。実名制のコメントがタイムラインに随時表示されることもあり、「あの人もがんばっている」とか「欠席して置いていかれたくない」という思いが生まれ、教室で授業に出席するような感覚を覚えることができる(なお、リアルタイムで受講するには無料だが、録画授業を月に2つ以上受講するためにはプレミアム会員登録が必要)。

●スクーのこれから

 現在、スクーには1000を超える授業があるが、2016年9月までにこれを2万にまで増やすことを目指している。現在は、東京・渋谷にある自社のスタジオで収録をするほか、スクープラットフォームとして企業や団体に提供し、自社のPRなどを兼ねた授業を自由に開講できる「スクー公認団体」というコンテンツもある。現在メインとなっている授業は、ウェブデザイン、スタートアップ(起業)、ビジネス英語、社会人向けメイクなどだが、これからますます授業の種類も数も増えていくだろう。

 コンテンツも、スクー側から交渉することもあれば、コンテンツ提供側から依頼がくることもある。質の高いコンテンツを揃えた後、増資で得た資金を使って認知度を向上させ ていく。まさに地に足の着いたマーケティング戦略だ。

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